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1993 年度 実績報告書

脳組織に存在するトリプシン阻害物質、特にウリナスタチン様物質の性状と生物学的機能

研究課題

研究課題/領域番号 05807007
研究機関島根医科大学

研究代表者

食見 忠弘  島根医科大学, 医学部, 助教授 (00065913)

研究分担者 権田 辰夫  島根医科大学, 医学部, 助教授 (40116398)
キーワードトリプシン阻害物質 / ウリナスタチン様物質 / グルタミン酸受容体 / 脳虚血
研究概要

我々は、マウスの尿中にはウリナスタチン抗体と反応し、トリプシン阻害活性を有する物質が存在すること、マウスの肝臓にはウリナスタチンのm-RNAが存在することなどを明らかにし、ウリナスタチン様物質の生物学的機能の検討においてマウスが適した動物であることを見いだした。更に、マウスの脳組織中では、ウリナスタチン様物質が学習、記憶と関係の深い海馬や大脳皮質が多く含まれていること、局在する錐体細胞で生成されている可能性などを発見した。
平成5年度においては(1)マウスの脳組織中に存在するウリナスタチン様物質の性状の解明と、(2)ウリナスタチン様物質と局在する錐体細胞の主要な神経伝達物質であるグルタミン酸との関係、(3)脳虚血処置によるウリナスタチン様物質量の変動を検討した。その結果、1)ヒト尿中のウリナスタチンとマウス脳組織中に存在するウリナスタチン様物質はともにトリプシン阻害活性とほぼ同じ分子量を持つものの、糖鎖の含有量、N末部分のアミノ酸配列などは明らかに異なっていることを認めた。2)マウスにグルタミン酸受容体作動薬を投与すると脳組織中のウリナスタチン様物質が増加すること、その増加がグルタミン酸受容体中のNMDA型受容体拮抗薬により抑制されることを見いだした。また3)脳虚血処置により海馬でのウリナスタチン様物質の可逆的な減少が認められた。その機作、生理学的機能との関連性及び脳組織中のウリナスタチン様物質の全アミノ酸配列の解明などが更に検討すべき点として残された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Shikimi T: "Demonstration of a human urinary trypsin inhibitor(urinastatin)-like substance in the murine brain" Brain Research. 616. 230-235 (1993)

  • [文献書誌] Shikimi T: "Relationships between urinary levels of ulinastatin and α1-microglobulin and the severity of Alzheimer-type or vascular dementia" Jpn J Clin Pharmacol Ther. 24. 571-577 (1993)

  • [文献書誌] Shikimi T: "Effects of heparin on the inhibitory activities of human urinary trypsin inhibitor(ulinastatin)on trypsin,chymotrypsin and leukocyte elastase" Jpn J Pharmacol. 62. 115-118 (1993)

  • [文献書誌] Shikimi T: "Studies on urinastatin-like substance in murine brain" Jpn J Pharmacol(Suppl.I). 61. 125P (1993)

  • [文献書誌] 食見忠弘: "ヒト尿水アルファ-1-ミクログロブリンとウリナスタチンの量的相関性および腎機能障害時の変動について" 日薬理誌. 102. 96P (1993)

  • [文献書誌] 食見忠弘: "グルタミン酸受容体及び拮抗薬投与によるマウス脳内ウリナスタチン様物質の量的変化" 日薬理誌. 103. 100P (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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