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1993 年度 実績報告書

個体発生,分化及び発癌における遺伝子転写制御因子の役割解明と病理形態学への応用

研究課題

研究課題/領域番号 05807014
研究機関神戸大学

研究代表者

林 祥剛  神戸大学, 医学部, 助教授 (50189669)

研究分担者 伊東 宏  神戸大学, 医学部, 教授 (40168373)
大林 千穂  神戸大学, 医学部, 助手 (90223940)
埴岡 啓介  神戸大学, 医学部・附属病院, 助教授 (70127463)
キーワード病理 / 転写制御 / HNF-1 / 肝細胞癌
研究概要

ラット、マウスなどの研究で肝臓特異に発現する転写因子(trans-acting factor、核蛋白)はHNF-1α,HNF-1β,HNF-3α,HNF-3β,HNF-3γ,HNF-4,HNF-5が知られており、我々はひとでHNF-1α,HNF-1β,HNF-4のcDNAを得ることができた。HNF-3(transthyretin enhancer binding protein)についてはひとでの存在の報告は未だなく、cDNAクローンを得ることはできなかった。HNF-5について我々は、ひとalbumin,α-fetoproteinのenhancerにbinding siteがあることを突き止めたが(Hayashi,y.,et al.J.Biol.Chem.1992 267 14580-5)、binding shift assay,foot printのdataからは単一の核蛋白とは、考え難くcDNAクローンは得られていない。肝癌手術材料組織を使ったnorthern blottingによるHNF-1αのmRNA発現の検索でひと胎児、高分化肝癌では高い発現をみるが中ないし低分化肝癌では発現が減少する。HNF-1α,HNF-1βのmRNA発現の変化が肝癌の組織分化度、予後因子に成りえると考え発現の変化を簡易に検索しうるcompetitive RT-PCR法を考案した。
competitive RT-PCR法の結果と臨床的、生物学的な癌の性格の解析は次年度おこなわれる。また胃癌の一部に肝細胞類似の組織型を示し生物学的に悪性度が強くα-fetoproteinを分泌するものがある。この核蛋白の発現を検索し、HNF-1α,HNF-1β、HNF-4の発現が強く、重要な働きをしていることを示唆する所見を得た。ただ一部の胃癌でHNF-1α,HNF-1βが高度に発現しているが、α-fetoproteinの産生をみないものがあり、胃癌の様々な培養株を使って、個々の転写因子について詳細な検討を行っている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 二宮俊明: "ヒト肝細胞癌,胎児肝組織における肝特異転写制御因子核蛋白(trans-acting nuclear factor)の発現の検索" 日本病理学会会誌. (印刷中).

  • [文献書誌] 太田恭介: "AFP産生胃癌における肝特異転写制御因子の解析" 日本病理学会会誌. (印刷中).

  • [文献書誌] Hayashi Y et al.: "Expression of EGF,EGF-receptor,p53,v-erb B and ras p21 in colorectal neoplasms by immunostaining paraffin-embedded tissues" Pathology International. 44. 124-130 (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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