研究概要 |
Flagellin geneおよびOsp A、B gene を標的とするPCR法の確立 日、米、欧のライム病関連ボレリア38株、他種ボレリア3株ついてライム病ボレリアの鞭毛構造遺伝子、ならびに細胞表層蛋白0sp A、Osp B 遺伝子の塩基配列をもとにプライマー6種(1F,M-2F,Osp-A1,Osp-A2,Osp-A4,B9)を調製し、PCRを行なった。その結果、1)鞭毛遺伝子標的PCRプライマー1F,M-2Fが日本のライム病の遺伝子診断に適用できる、2)3種のプライマーセット(Osp-A1/Osp-A2,Osp-A1/Osp-A4,Osp-A1/B9)によるPCRとOsp-A1/B9プライマーPCR断片のHind III,EcoRI消化で、ライム病ボレリア(B.burgdorferi sensu stricto,B.garinii,B.afzelii)とB.Japonicaの鑑別が可能であることなどを明らかにした。 ライム病ボレリア16S rRNA遺伝子検索プローブ作成とRFLP解析 日本のヤマトマダニ、シュルツェマダニ、エゾアカネズミから分離されたボレリア、ならびにB.burgdorferi sensu stricto,B.garinii及びB.afzeliiの3遺伝種について、^<32>Pラベルした16S rRNA遺伝子のV4領域の一部を標的としたBBU30、flagellin遺伝子の5'領域を標的としたBBFN27オリゴヌクレオチドをプローブとし、各種ボレリアDNAのHindIII消化、電気気動、ナイロン膜への転写後、サザンハイブリダイゼーションを行なった。その結果、BBU30プローブにおいて、B.burgdorferi sensu stricto,B.garinii及びB.afzeliiヤマトマダニ由来株が夫々特徴的なDNA断片を生じ種々のボレリア菌株の鑑別が可能であること、日本のシャワルツェマダニ、エゾアカネズミ由来B.burgdorferi sensu latoがB.gariniiに帰属することが明確に示され、分子疫学的研究に極めて有用であることが判明した。
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