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1994 年度 実績報告書

スーパー抗原特性を有する細菌外毒素によるT細胞活性化と生体異常反応の解析

研究課題

研究課題/領域番号 05807023
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

今西 健一  東京女子医科大学, 医学部・医学部, 講師 (20132920)

研究分担者 藤巻 わかえ  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90256496)
加藤 秀人  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00241084)
内山 竹彦  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00050550)
キーワードスーパー抗原 / 細菌外毒素 / T細胞活性化 / 生体異常反応
研究概要

毒素性ショック症候群(TSS)の原因毒素である黄色ブドウ球菌やA群レンサ球菌の産生する外毒素は強力なT細胞活性化能を持つ。これら外毒素は一般の抗原と異なり、ペプチド化されることなく、ヒトやマウスのMHCクラスII分子に直接結合して、T細胞レセプターβ鎖のV領域(Vβ)依存性にT細胞を活性化することを明らかにしてきた。外毒素刺激により異常に多くのT細胞(10〜20%)が活性化されることからTSSが発症すると我々は考えている。今年度はさらに以下のことを明らかにした。
1.in vitroにおける外毒素(TSST-1,SPE A)の刺激によりヒトCD4^+T細胞とCD8^+T細胞はクラスII陽性細胞存在下においてTNF-αおよびTNF-βを産生する。TNF-αは刺激後数時間後から、TNF-βは約30時間後から検出され、以後観察した5日後まで増加した。その産生量はCD4^+T細胞が高い。
2.以前に明らかにしたように、ヒト血管内皮細胞(VEC)をインターフェロン-γで処理するとHLAクラスII陽性になる。HLAクラスII陽性になったVECはIL-2産生においてだけでなく、TNF-αおよびTNF-β産生においても効果的なアクセサリー細胞活性を示した。
3.in vitroにおける外毒素の刺激により一次刺激においてはマウスCD4^+T細胞とCD8^+T細胞は共に活性化され、CD4^+T細胞はIL-2をCD8^+T細胞はIFN-γを多量に産生する。同じ外毒素の二次刺激においてはCD4^+T細胞は増強された反応を示すが、CD8^+T細胞は反応(増殖、IL-2産生、IFN-γ産生)しない。CD4^+芽球化T細胞、CD8^+芽球化T細胞ともに外毒素依存性にクラスII陽性細胞を傷害する。
4.Yersinia感染症患者に由来するYersinia pseudotuberculosisより、ヒトやマウスのT細胞活性化能を持つ蛋白質YPMを精製した。YPMはMHCクラスII陽性細胞存在下でヒトのT細胞抗原レセプターにVβ3、9、13.1および13.2を持つT細胞を活性化するスーパー抗原であることを明らかにした。さらにYPMの遺伝子配列を決定した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 今西健一: "IFN-γ-stimulated human vasculor endothelial cells function as accessory cells." Int.Arch.Allergy Immunol.(1995)

  • [文献書誌] 赤塚英信: "Production of tumor necrosis factors by human T cells Stimulated by a Superantigen,Toxic shock syndrome toxin-1." Clin.exp.Immunol.(1994)

  • [文献書誌] 内山竹彦: "Bacterial superantigens-Mechanism of T cell activation by the superantigens and their role in the pathogenesis of infections dieseas." Microbiol.Immunol.(1994)

  • [文献書誌] 加藤秀人: "Study of TCR Vβ usage in Superantigen-reactive human T cells by the RT-PCR method." J.Tokyo Women's Med.Coll.(1994)

  • [文献書誌] 内山竹彦: "A nobel superantigenic exotoxin from Yersinia pseudotuberculosis and its position in the classification of the entire bacterial Toxins." S.Karger AG社. (印刷中).

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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