研究課題/領域番号 |
05807023
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
今西 健一 東京女子医科大学, 医学部・医学部, 講師 (20132920)
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研究分担者 |
藤巻 わかえ 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90256496)
加藤 秀人 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00241084)
内山 竹彦 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00050550)
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キーワード | スーパー抗原 / 細菌外毒素 / T細胞活性化 / 生体異常反応 |
研究概要 |
毒素性ショック症候群(TSS)の原因毒素である黄色ブドウ球菌やA群レンサ球菌の産生する外毒素は強力なT細胞活性化能を持つ。これら外毒素は一般の抗原と異なり、ペプチド化されることなく、ヒトやマウスのMHCクラスII分子に直接結合して、T細胞レセプターβ鎖のV領域(Vβ)依存性にT細胞を活性化することを明らかにしてきた。外毒素刺激により異常に多くのT細胞(10〜20%)が活性化されることからTSSが発症すると我々は考えている。今年度はさらに以下のことを明らかにした。 1.in vitroにおける外毒素(TSST-1,SPE A)の刺激によりヒトCD4^+T細胞とCD8^+T細胞はクラスII陽性細胞存在下においてTNF-αおよびTNF-βを産生する。TNF-αは刺激後数時間後から、TNF-βは約30時間後から検出され、以後観察した5日後まで増加した。その産生量はCD4^+T細胞が高い。 2.以前に明らかにしたように、ヒト血管内皮細胞(VEC)をインターフェロン-γで処理するとHLAクラスII陽性になる。HLAクラスII陽性になったVECはIL-2産生においてだけでなく、TNF-αおよびTNF-β産生においても効果的なアクセサリー細胞活性を示した。 3.in vitroにおける外毒素の刺激により一次刺激においてはマウスCD4^+T細胞とCD8^+T細胞は共に活性化され、CD4^+T細胞はIL-2をCD8^+T細胞はIFN-γを多量に産生する。同じ外毒素の二次刺激においてはCD4^+T細胞は増強された反応を示すが、CD8^+T細胞は反応(増殖、IL-2産生、IFN-γ産生)しない。CD4^+芽球化T細胞、CD8^+芽球化T細胞ともに外毒素依存性にクラスII陽性細胞を傷害する。 4.Yersinia感染症患者に由来するYersinia pseudotuberculosisより、ヒトやマウスのT細胞活性化能を持つ蛋白質YPMを精製した。YPMはMHCクラスII陽性細胞存在下でヒトのT細胞抗原レセプターにVβ3、9、13.1および13.2を持つT細胞を活性化するスーパー抗原であることを明らかにした。さらにYPMの遺伝子配列を決定した。
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