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1993 年度 実績報告書

自己免疫疾患における抑制性Tリンパ球機能不全のメカニズムの分子生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 05807043
研究機関帝京大学

研究代表者

広畑 俊成  帝京大学, 医学部, 講師 (90189895)

研究分担者 柳田 たみ子  帝京大学, 医学部, 助手 (80082204)
原岡 ひとみ  帝京大学, 医学部, 助手 (60228632)
橋本 喬史  帝京大学, 医学部, 助教授 (30082142)
キーワードTリンパ球 / Bリンパ球 / DNAポリメラーゼalpha / ヘルパーT細胞 / サブレッサーT細胞 / PCNA / SLE
研究概要

各種自己免疫疾患においては、抗DNA抗体などの自己抗体の産生が病態形成上重要な役割を果たす。この自己抗体産生の1つの機序として、サプレッサーT細胞機能不全による多クローン性B細胞活性化が注目されている。
本研究においては、サプレッサーT細胞からB細胞へと送られシグナルが如何してB細胞の機能を抑制するかを中心に解析を行った。その結果、以下の新知見が得られた。(1)T細胞は活性化されると休止期B細胞は常にそれを活性化し、IL-2RやCD71分子の発現をB細胞上に誘導する。(2)同時に、こうした活性化T細胞は活性化B細胞に対しては逆にこの増殖分化を抑制する。このように、活性化T細胞のhelperおよびsuppressorの2つの機能は、むしろB細胞の活性化の状態により決定する。(3)さらに、活性化T細胞は活性化B細胞のDNAポリメラーゼalphaおよびproliferating cell nuclear antigenの発現を阻害することにより、その抑制効果を発揮する。この抑制効果は可逆的で、T細胞の除去により解除される。以上のように、T細胞はB細胞を活性化して抗体産生細胞への分化を促進する作用と、抗体の過剰産生を抑制するために活性化B細胞内のDNAポリメラーゼalphaの発現を調節する作用とを合わせ持つことが明らかにされた。この2つの作用は、T細胞の特定のサブセットに割り当てられたものではなく、従来ヘルパーT細胞とされていたCD4陽性T細胞も強力な抑制作用を有することも確認された。従って、SLEやAIDSにおいてCD4陽性T細胞が減少しながら、高免疫グロブリン血症が見られることがよく説明される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hirohata S,Tanimoto K,ito k.: "Elevation of cerebrospinal fluid interleukin-6 activity in patients with vasculitides and central nervous system involvement." Clin Immunol Immunophathol. 66. 225-229 (1993)

  • [文献書誌] Hirohata S.: "Inhibltion of B cell expression of DNA polymerasealpha by CD4+ suppressor T cells." Cell Immunol. 150. 159-167 (1993)

  • [文献書誌] Hirohata S,Shinohara S.: "Bidrectional modulation of human B cell stimulation by activated T cells." Cell Immunol. 150. 257-268 (1993)

  • [文献書誌] Hirohata S,Oka H.: "Modulation of T cell production of interferon-gamma by human monocytes:Effect of engagement of CD14 on monocytes." Cell Immunol. 151. 270-282 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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