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1994 年度 実績報告書

肝内胆汁うっ滞における細胞骨格蛋白異常の分子生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 05807049
研究機関札幌医科大学

研究代表者

丹田 まり子  札幌医科大学, 医学部, 助手 (40240931)

研究分担者 伊東 文生  札幌医科大学, 医学部, 助手 (90223180)
キーワード胆汁うっ滞 / 細胞骨格 / チロシン脱リン酸化酵素 / PTPH1遺伝子
研究概要

これまでの研究で、我々は消化器組織に発現しているチロシン脱リン酸化酵素の遺伝子クローニングを行い、1991年Tonksらのよって発表されたPTPH1遺伝子と同一の遺伝子をクローニングした(Tumor Biol.,13:180-186)。PTPH1遺伝子産物の構造は酵素ドメインの他に細胞骨格結合蛋白質に相同性を持つドメインを有していた。本研究ではPTPH1遺伝子産物の解析と細胞骨格結合蛋白質が数多く存在する肝細胞の細胆管におけるチロシンリン酸化レベルの検討を行った。PTPH1 mRNAの発現を種々の細胞株で検討したところ、発現レベルは低く、また、すべての細胞株に発現を認めubiquitousな発現パターンを示すことが明らかとなった。また、分化誘導剤であるsodium butyrate存在下での培養で発現増強を認めることより、少なくとも細胞の増殖には抑制的に働く可能性が示された。(Int.J.Cancer,55:947-951,1993)。一方、肝細胞におけるPTPH1遺伝子産物の発現を明らかとしたが、癌化における遺伝子以上の存在は見いだされなかった。(J.Gastroenterol.,29:727-723,1994).PTPH1遺伝子産物の抗体を作製し、肝細胞における局在を検討したところ、Western blotにてbile canalicurus分画にバンドを認めた。しかし、胆汁うっ滞起因薬剤であるクロールプロマジンの投与によってラット初代培養肝細胞の細胆管周囲におけるリン酸化チロシンレベルの上昇はみられず、本薬剤においては細胆管周囲のチロシンリン酸化レベルと胆汁うっ滞の関連は明確でなかった。現在、他の胆汁うっ滞起因薬剤において検討を継続している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Arimura,Y.,Tanda,M.,et al.: "cDNA cloning of new protein tyrosine phosphatases in human colon." Tumor Biol.13. 180-186 (1992)

  • [文献書誌] Itoh,F.,Tanda,M.,et al.: "Expression and chromosomal assignment of PTPH1 gene encoding a cytosolic protein tyrosine phosphatase homologous to cytoskeletal associated proteins" Int.J.Cancer. 55. 947-951 (1993)

  • [文献書誌] Ikuta,S.,Tanda,M.,et al.: "Expression of cytoskeletal-associated protein tyrosine phosphatase PTPH1 mRNA in human hepatocellular carcinomas." J.Gastroenterol.29. 727-732 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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