研究課題/領域番号 |
05807068
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
久保 政勝 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (00056988)
|
研究分担者 |
和田 靖之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50201265)
小林 信一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80170322)
|
キーワード | IgGサブクラス / 肺炎球菌特異抗体 / 反復性肺炎 / 難治性喘息 |
研究概要 |
平成6年度は反復性肺炎、ステロイド依存性難治性喘息、原発性免疫不全症候群、悪性腫瘍、慢性副鼻腔炎、反復性副鼻腔炎などの疾患を対象にIgGサブクラスの検討をすると共に、肺炎球菌多糖体抗体の測定を行った。 1.対象117名中31名にIgGサブクラスの異常が認められた。 その内訳は、IgG_1欠乏症:5例、IgG_2欠乏症:4例、IgG_3欠乏症:9例、IgG_1+IgG_2欠乏症:4例、IgG_1+IgG_3欠乏症:7例、IgG_2+IgG_3欠乏症:1例、IgG_1+IgG_2+IgG_3欠乏症:1例などであった。IgGサブクラス異常として最も頻度が高いのは、IgG_3欠乏症、次いでIgG_1+IgG_3欠乏症、IgG_1欠乏症、IgG_2欠乏症の順であった。 2.肺炎球菌多糖体抗体の測定 方法は肺炎球菌ワクチン(pneumovax)を抗原としたELISA法で行った。この抗原に段階希釈した被検血清を加え、次いでマウス抗ヒトIgG_1及びIgG_2モノクローナルを加え、ヤギ抗マウスIgGペロキシダーゼ抗体を加えた後、0-フェニレンジアミンで発色し492nmの吸光度で測定した。標準血清はpneumovaxを免疫した健常人血清をCL4Bセファロースを用いpneumovax特異免疫グロビリンを精製した。健常人のIgG_2特異抗体価の上昇は接種後3週間後に強くみられ、その平均抗体価は420.8μg/mlであった。 対象は反復性中耳炎に罹患し易い患児の中で特に難治例について検討した。難治例6例中2例にIgG_2欠乏症を認めたが、他の4例は正常であった。Pneumovax投与後の抗体価の上昇は4例に低反応(0.22μg/ml-14.4μg/ml)がみられた。臨床的にはガンマグロブリン補充療法が有効であった。
|