研究課題/領域番号 |
05807107
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古森 公浩 九州大学, 医学部, 講師 (40225587)
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研究分担者 |
隈 宗晴 九州大学, 医学部, 医員
川崎 勝巳 九州大学, 医学部, 医員
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 静脈グラフト / 内膜肥厚 / プロスタサイクリン / nitric oxide / eicosapentanoic acid / 異常血流 |
研究概要 |
慢性動脈閉塞症に対する血行再建術は安全に行われるようになってきたが、未だに20-30%の晩期閉塞を認め、血管外科医の解決すべき問題点である。晩期閉塞の主要因は移植自家静脈の内膜肥厚であり、我々は、いままでに末梢run-off不良条件下、つまりlow flow shear stressでは、移植自家静脈内膜肥厚が増強することを臨床的及び事件的に報告してきた。血管内皮細胞はプロスタサイクリン(PG12)やNitric Oxide (NO)などを放出し、血管の収縮弛緩反応の調節及び血小板凝集を抑制するという重要な生理学的役割が知られている。今回PG12およびNOに注目して実験したところ、移植自家静脈血管内皮細胞のプロスタサイクリンおよびNO産生能の低下が移植早期よりみられ、内膜肥厚の著明な異常血流条件モデル下ではさらに助長された。自家静脈における内皮細胞のプロスタサイクリン及びNO産生能の低下が血小板凝集を促進し、晩期閉塞を助長すると考えられた。eicosapentanoic acid (EPA)は自家静脈内膜肥厚を抑制し、その機序のひとつとして、NO産生能の亢進が示唆され、内皮細胞機能の保持が晩機閉塞予防に寄与すると考えられた。
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