カルボシアニン蛍光色素Dilをエチルアルコールに溶解して、左右の頚部迷走神経へ取り込ませる事による、脳内への逆行性の神経細胞の標識について、従前の逆行性色素に加えて、有用な点について、現在論文投稿中。さらに、胃、肺などの臓器に同様にして、色素の投与を行ったところ、その支配領域の脳内の神経細胞の標識に成功した。この点についても、論文作成中。肺移植モデル、除神経モデルについての検討は、平成7年の6月より開始。 平成6年度後半より、臓器の神経再生にかかわる因子として塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)に注目し、除神経臓器の内部で起こるbFGFのmRNA発現の変化をcompetitive PCR法をもちいて経時的に、定量的に把握する方法の確立を目指してきた。ラットbFGF mRNAの定量系の確立のために、A)PCRプライマーの合成; B)competitor テンプレートの作成 (1)上記pTB784 plasmid DNAを制限酵素EagIとKpnIで切断の後にligation。355bpのPCRproductをうむ、組み替えテンプレートDNAを作成。 (2)RAT、Mouse、Humanの3種G3PDHに共通に反応するPrimerの開発。競合PCR法のためのテンプレートDNAの作成。 C)competitive PCR:組織から精製したmRNAを逆転写した後に、(3)で作成したcompetitor DNAテンプレートを適量用いて、^<32>P-CTPsとともにPCRを行う。このあとは、ゲルをエチジウムブロマイドで染色する事で、視認でおおよその濃度を検討する。 bFGFの発現時期に合成bFGF;TGP-580(CS23)(武田薬品中央研究所より供与済み)を大量投与し、神経再生への影響を検討する。
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