研究課題/領域番号 |
05807137
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 義郎 愛知医科大学, 医学部, 助手 (30162506)
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研究分担者 |
川井 範夫 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (50095535)
丹羽 滋郎 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70065530)
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キーワード | 腱癒着 / 癒着防止膜 / ハイドロキシアパタイト / バイオセルロース |
研究概要 |
従来腱損傷における腱修復術後や麻痺などによる運動再建手術における腱移行、腱移植の手術後の腱癒着は必発であった。腱の癒着が起これば関節の可動域の制限が起き、手術の効果が失われるばかりでなくむしろ機能障害をきたすこともある。そのため腱剥離術などの手術が複数回必要である。また関節可動域制限を防ぐため早期の関節運動を許せば腱断裂の危険が伴っている。このため腱癒着を防止できる方法を求めて過去に各種の試みがなされてきた。腱癒着防止膜もその一つの方法である。しかし、操作方法に問題があったり、癒着防止膜の抜去の手術が必要であり広く臨床応用はされていない。 我々はバイオセルロースにアパタイトを混合したアパタイトシートを開発した。そして、この新しいシートを動物実験により生体内での組織反応、およびシート存在下での腱修復状態および腱の癒着状態を光学顕微鏡および電子顕微鏡で観察し、臨床応用の可能性の検討をした。 各種シート存在下での腱修復状態の観察では、コントロールと、ほぼ同様に良好な修復状態を示した。 組織親和性の検討では、バイオセルロース単独では、異物反応を示したが、アパタイトを混合したアパタイトシートは異物反応を示さず、腱周囲組織においてシートと腱の間に疎な結合組織を見るのみであった。これは、解剖学的に見て腱周囲の疎性結合に極めて似た組織であった。 腱癒着状態の観察ではアパタイト顆粒の多いシートほど異物反応を示さず腱とシートの間に薄い疎な結合織を示し、腱癒着防止作用を示した。 操作性の検討では、アパタイトシートは、紙の様に操作性が良いが、体液により破損する傾向を示した。そこで、癒着作用があるが破れにくいセルロースシートの性質を利用しシートの表裏の性質を変えることにより実用に適したシートを作ることができた。
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