• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 実績報告書

複雑性尿路感染症におけるBiofilm diseaseに対する治療学的研究ー細菌性Biofilmに対するマクロライド系抗菌薬効果の作用機序の解明ー

研究課題

研究課題/領域番号 05807145
研究機関札幌医科大学

研究代表者

西村 昌宏  札幌医科大学, 医学部, 助手 (10208225)

キーワード細胞Biofilm / Glycocalyx / 尿路Biofilm形成モデル / マクロライド系抗菌薬 / clarithromycin / Biofilm形成抑制作用 / ニューキノロン系抗菌薬 / ciprofloxacin
研究概要

昨年度の研究で14因環のマクロライド系抗菌薬であるclarithromycinを尿中濃度推移で作用させた場合、緑膿菌Biofilmを消失させる作用のあることが判明した。そこで、そのBiofilm消失機序について研究を進めた。Biofilm消失機序としては、Biofilm溶解作用とBiofilm形成抑制作用が考えられるが、形成抑制作用の有無を中心に実験的検討を行った。方法は、我々の高度複雑性尿路感染症実験モデルの憩室内にガラス玉を入れ、緑膿菌菌液を10^7CFU/mlに調整した時点から抗菌薬(ciprofloxacinおよびclarithromycin)を作用させた。すなわち、ガラス玉表面にBiofilmが形成されない状態から抗菌薬を作用させ、Biofilm形成抑制効果の有無を検討した。
その結果、ciprofloxacin(MIC: 8μg/ml)200mgを1日3回投与時の尿中濃度推移で7日間単独で作用させた場合には、ガラス玉表面を走査電顕で観察すると、緑膿菌が重なり合って多数付着し、Biofilmの形成を認めた。これに対して、clarithromycin (MIC: 128μg/ml以上)を同様の投与法で作用させた場合には、抗菌力がないためにciprofloxacinを単独作用させた場合と同様に、多数の細菌がガラス玉表面に付着していた。しかし、緑膿菌Biofilmの本体であるアルギン酸(Glycocalyx)は認められずBiofilmの形成は認められなかった。さらに両抗菌薬を併用作用した場合には、7日目においてガラス玉表面に細菌の付着は認められず、Glycocalyxも認められなかった
以上より、ニューキノロン系抗菌薬にciprofloxacinにはBiofilm形成抑制作用は認められないが、マクロライド系抗菌薬であるclarithromycinにはBiofilm形成抑制作用のあることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 佐野正人、西村昌宏他: "高度複雑性膀胱感染実験モデルによるclarithromycin(CAM)のBiofilm形成抑制効果の研究 ー尿中抗菌薬濃度自動シミュレーターを用いたin vitroにおける検討ー" 感染症学雑誌. 68. 1306-1317 (1994)

URL: 

公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi