研究課題/領域番号 |
05807146
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
頴川 晋 北里大学, 医学部, 講師 (60160347)
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研究分担者 |
小柴 健 北里大学, 医学部, 教授 (40050380)
桑尾 定仁 北里大学, 医学部, 助教授 (70137925)
内田 豊昭 北里大学, 医学部, 講師 (70146489)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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キーワード | 前立腺癌 / 生物学的活性 / genomicinstability / DNA ploidy / TGF-betal |
研究概要 |
前立腺癌には、生物学的活性の異なるいくつかの腫瘍群があり、このことは治療法を選択する上での大きなジレンマとなっている。前立腺癌の生物学的活性をある程度予期するマーカーを検討する目的で、genomicinstabilityの有無、DNA ploidyが病理学的所見と相関するか否か、そして、血清中のTGF-betalが病期と相関するか否かにつき検討を行った。genomicinstabilityは66症例の前立腺癌検体中、13例(19.7%)にのみ認められ、この遺伝子変化は前立腺腺外進展症例に有意に頻度が高く、polymerase chain reaction法による術前診断に期待が持てる結果であった。DNA ploidyについては、70例の根治的前立腺摘除術標本を用いて検討を行った。103個の個々の腫瘍につきDNA ploidyを測定し、各々の病理学的所見と対比した。nondiploid例は62%に認められ、腫瘍体積と有意の相関を示したが、腫瘍の悪性度とは相関せず、病理学所見とも相関しなかった。また、nondiploid腫瘍の頻度は米国の検討での報告頻度と同等であり、nondiploidyは生物学的悪性度の指標とするよりも、腫瘍発生の過程での遺伝子変化集積の結果と考えられた。血清中のTGF-betalと前立腺癌の病期、悪性度の対比をコントロールをも含め260例の検体を用いて行ったが、未治療前立腺癌において、これらの間に一定の関係は認められなかった。このように今回、検討した3種のマーカーのうち、genomicinstabilityの有無のみが、前立腺癌の生物学的悪性度と相関することが示唆された。
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