研究概要 |
〈目的〉近年、早産と絨毛羊膜炎の関連が注目されている。感染を引き起こすと子宮筋収縮は増大するが、その機序の詳細は解明されていない。そこで我々は、妊娠17日目(早産期)のラットの腹腔にEndotoxin(E.coli)を投与し、炎症モデルを作成した。3時間後に子宮を摘出し、その縦走筋標本で、(1)蛍光顕微鏡と(2)共焦点レーザー顕微鏡(CLSM)を用いて細胞内Ca^<2+>動態の測定を行う。〈成績〉細胞内Ca^<2+>動態の測定:(1)蛍光顕微鏡;Endotoxin投与子宮筋およびコントロールの妊娠子宮筋にて、Ca^<2+>存在下(2.5mM)ではOXTの投与により、子宮収縮と共に340/380比の上昇が認められた。しかし、その両者間に有意差を認めるかは例数が少なく現在検討中である。(2)共焦点レーザー顕微鏡;Ca^<2+>存在下ではOXTの投与により,子宮収縮と共に子宮筋束に一致し、輝度の上昇が認められた。Endotoxin投与子宮筋ではなかなか収縮が起こらず、子宮筋束に一致し、輝度の上昇かどうかについては現在検討中である。〈結論〉蛍光顕微鏡とCLSMを用いることにより、ラット妊娠子宮筋において、細胞内Ca^<2+>と収縮張力の同時測定が実施でき、OXT刺激により、収縮に伴って細胞内Ca^<2+>の上昇が観察された。Endotoxin投与子宮筋でも同様に収縮に伴って細胞内Ca^<2+>の上昇が観察された。現在この両者間の比較検討を行っているところである。
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