研究課題/領域番号 |
05807166
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
早川 むつ子 順天堂大学, 医学部, 講師 (60095825)
|
研究分担者 |
河野 博之 順天堂大学, 医学部, 助手 (70234094)
佐久間 仁 順天堂大学, 医学部, 助手 (60235207)
藤木 慶子 順天堂大学, 医学部, 講師
堀田 喜裕 順天堂大学, 医学部, 講師 (90173608)
|
研究期間 (年度) |
1993 – 1995
|
キーワード | 網膜色素変性 / 錐体杆体ジストロフィ / 杆体ジストロフィ / 黄斑変性 / ベスト病 / ロドプシン遺伝子 / ペリフェリン / RDS遺伝子 / β-cGMP-PDE遺伝子 |
研究概要 |
今までに集積した300を越える患者のDNAのうち、常染色体優性本症(ADRP)43名、劣性(ARRP)24名の定型網膜色素変性について、ロドプシン、ペリフェリン/RDS、β-cGMP-ホスホジエステラーゼ、リカバリン、ホスデューシン、ロム1遺伝子を、また、錐体杆体ジストロフィ等の関連疾患36名についてはペリフェリン/RDS遺伝子を候補遺伝子として、SSCP(高次構造解析法)、直接塩基配列決定法により、変異の有無を解析した。一方、候補遺伝子の推測および変異の位置と臨床像との関連づけを行えるよう臨床像を明確にし、確定診断をつける研究を並行した。解析結果は、ロドプシン遺伝子に新たにコドン15の変異を見出した。すでに報告済みのコドン17と347の変異を合わせると互いに独立なADRP43名中3種3例(約7%)の変異率となる。コドン15に変異をもつ患者の眼底は区画型様でオーストラリアの同変異の家系と同様の臨床所見を呈した。これは人種を越えて変異と臨床所見との対応がつく例として注目に価する。ペリフェリン/RDS、その他の遺伝子については今のところ直接疾患に関連する変異は見出されていない。ロドプシン遺伝子のコドン174、ペリフェリン/RDS遺伝子のコドン304と338の変異はアミノ酸置換が生じているにも関わらず、疾患との直接の関連はなく、後2者の変異は正常集団にも高頻度に見出された。他にロドプシン遺伝子のDNA多型として知られる第269、5145、5321番塩基対の変異の頻度はそれぞれ57、36、5%で、欧米人のそれと大きく異なっていた。SSCPの検出率、家系の取り方、患者の全遺伝子、全エクソンの解析が完了している訳ではないが、我が国のこれらの疾患に対する上記遺伝子の変異は当初予想していた程多くはないと思われる。また、本疾患群の複雑さは予想以上で、何らかの候補遺伝子のしぼり込み、あるいは新たな原因遺伝子の検索が必要と考えられる。
|