研究概要 |
Streptococcus pyogenesのSPE遺伝子をPCRにより分離し、発現ベクターに取込みGST融合タンパクとして精製した、リコンビナントSPEC(rSPEC)によって誘導されるサイトカインmRNAと、T細胞VβレパートリーをRT-PCR法で検討した。さらに、口腔レンサ球菌培養上清についてヒト末梢血単核細胞(PBMC)を幼若化するマイトジェニックファクター(MF)のスクリーニングと、Streptococcus anginosusが産生するMFの部分精製を行いその生物活性を検討した。 rSPECはヒトPBMCの増殖を促進した.RT-PCRによりrSPEC反応性のT細胞Vβレパートリーを検索するとVβ2を有するT細胞の増殖が認められた。また、ヒトPBMC中のサイトカインmRNAの発現におよぼすrSPECの影響について検討したところ,TNFα,TNFβ、IFNγ,IL-2mRNAの増加を認めた。さらに、PBMC培養上清にTNF活性とIL-2を検出し、rSPECがヒトT細胞のTh1を活性化することを明らかにした。 口腔レンサ球菌培養上清についてMF産生のスクリーニングを行い,S.anginosusがMFを産生することを見いだした。S.anginosus培養上清をDEAE-SephacelおよびSephadex G-100カラムクロマトグラフィーで分画し、SDS-PAGEで数本のバンドにまでMFを部分精製した。このMFは0.01μg/mlから1μg/mlの範囲で用量依存的にヒトPBMCを幼若化し、比活性は粗画分にくらべ4.4倍高まった。
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