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1993 年度 実績報告書

口腔乾燥症の新しい免疫学的診断法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 05807189
研究機関東北大学

研究代表者

阪本 真弥  東北大学, 歯学部, 助手 (90157686)

研究分担者 丸茂 町子  東北大学, 歯学部, 講師 (10005027)
三條 大助  東北大学, 歯学部, 教授 (70013943)
キーワードSjogren'S syndrome / Xero stomia / Autoantibodies
研究概要

高齢化社会に伴い口腔乾燥症患者は、年々増加傾向を示しているが、その診断は「口が乾く」「口の中がべたつく」といった患者の自覚症状によるところが大きく、口腔乾燥症の程度を客観的に診断し、病因に即した治療を行うことは困難な現況にある。我々は、これまで口腔乾燥感を主訴として来院し、なんら原疾患を有せず、唾液腺の加齢に伴う反応性変化を疑う患者の中に、軽度の高γ-gl血症を呈し、小唾液腺生検においても彌慢性に軽度から中等度の円形細胞浸潤を認める多くの症例を経験している。しかし、現在のところ、口腔乾燥症についての免疫学的研究はほとんどなされておらず、その病因や発症機序は未だ不明である。
そこで本研究では、口腔乾燥症の免疫学的特性を明かにするために、まず口腔乾燥症患者と健常者およびシェーグレン症侯群患者の血清よりプロテインA法を用いてIgG精製を行い、ビオチン標識することによりポリクローナル抗体を作製し、これを唾液腺の免疫染色に応用し、自己抗体の有無とその局在パターンを調べた。その結果、シェーグレン症侯群患者血清中には、唾液腺上皮細胞と腺房細胞に対する自己抗体が存在したが、口腔乾燥症患者および健常者には明確な自己抗体の存在は確認できなかった。
次に、健常者唾液腺中に含まれる蛋白をWestanブロッティング法を用いて分離し、これに口腔乾燥症と健常者およびシェーグレン症侯群患者血清より精製分離したビオチン化IgGを反応させて特定の抗原バンドを検出し、その蛋白分子量を検討した。その結果、健常者と加齢に伴う口腔乾燥症患者にはみられないバンドがシェーグレン症侯群にみられ、その分子量は33000と23000であることが示唆された。したがって、口腔乾燥症の唾液腺炎や血清IgGの上昇は、シェーグレン症侯群とは免疫学上、性質を異にし、本手法は口腔乾燥症とシェーグレン症侯群の鑑別診断に有用であることが明かとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Maya Sakamoto: "Autoantibodies in Sera from Patients with Sjogren's Syndrome" Japanese Association for Dental Research (Program and Abstracts of papers). 41st Annual Meeting in Okayama. 107 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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