研究課題/領域番号 |
05807217
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
稲垣 美智子 金沢大学, 医学部, 助教授 (40115209)
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研究分担者 |
伴 真由美 金沢大学, 医学部, 助手 (70242542)
須釜 淳子 金沢大学, 医学部, 助手 (00203307)
真田 弘美 金沢大学, 医学部, 教授 (50143920)
永川 宅和 金沢大学, 医学部, 教授 (50019600)
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キーワード | 褥創 / ずれと摩擦 / ベッドギャッジアップ / 車イス / 肩甲骨部 / フィルムシート / 体圧測定装置システム / 「ずれと摩擦」軽減の看護者意識 |
研究概要 |
前年度の結果、車椅子使用している高齢者において、体位移動を頻繁に行う人に褥創発生がみられた。体位移動とずれと摩擦の関係が示唆され、7年度はずれと摩擦を客観的指標により証明した。客観的指標には、圧力測定フィルムシート(富士写真フィルム)、および体圧分布測定装置を用いた。また、ずれと摩擦の起こる場面としては、車椅子座位、ベッド挙上(ギャッジアップ)を用いた。 結果、仙骨部では、ベッド挙上(ギャッジアップ)の角度が大きくなるほどかかる圧力が大きくなり、肩甲部では広い範囲のずれと摩擦が観察された。ベッド挙上(ギャッジアップ)は水平仰臥位とは異なり、肩甲部にはずれと摩擦の負荷がかかり、仙骨部には圧迫の負荷が大きいことが明らかになった。また仙骨部でのベッド挙上(ギャッジアップ)の角度が大きくなるほどかかる圧力が大きくなる傾向はエアマットレスでも確認された。肩甲部はセミファウラ-位を活用し、頭部の挙上角度に応じた脚(膝)の挙上角度を設定することにより「ずれと摩擦」の軽減されることが明らかになった。また、ずれと摩擦が起こりやすい肩甲部にベッド挙上(ギャッジアップ)時にシ-ツのしわと皮膚のしわ跡、発赤が実験的に観察され、シ-ツのしわが「ずれと摩擦」の指標になり得る事が示唆された。このしわは、血流状態にも影響を及ぼすことも明らかになった。このことから「ずれと摩擦」の軽減ケアはシ-ツの材質の検討が必要であると推察した。また看護者の「ずれと摩擦」予防の意識調査では、その意識が低く、教育、啓蒙の必要があることが明らかになった。
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