まず、合成洗剤問題に関連する一般市民向けの内容について、肝臓障害、発ガン・発ガン補助性、催奇形性の3つの観点から調査した。対象は「洗剤」、「洗濯」、「石鹸」等がタイトルに含まれているものとした。書籍は書店(10箇所)、図書館(5箇書)、消費生活センター等(4箇所)の所在調査により選択した。その結果、一般消費者がこれら3点についての危険説を肯定する情報に出会う確率は90%以上であることが判った。何れも学会レベルでは否定されている説であり、専門家情報と生活情報の隔離という問題点が明らかになった。 つぎに「環境」や「水」のキーワードを含む環境関連一般書籍を対象に、肝臓障害、発ガン・発ガン補助性、催奇形性の3つの視点と、その他の項目について分析した。その結果、3つの視点を吸ったもの(全体の10%程度)は殆どが危険説を肯定するものであることが明らかとなった。その結果、危険性3点については環境関連一般書籍についても専門家情報との隔離が問題になることが明らかになった。 環境関連一般書籍の分析から、その他の項目を分析に適した形式で整理した。その中で、不妊症・受精卵の死亡、胃腸障害、急性・慢性毒性、毛髪への影響、腎臓障害、胎児障害等の項目で間違った情報が一般消費者に伝わっていることも判った。 引き続き、洗剤関連一般書籍について、環境関連、安全性関連の各種項目ごとに分類・整理することにより、洗剤関連生活情報の概要をまとめ、問題点を明確にすることができるものと考えられる。
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