研究課題/領域番号 |
05808006
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
森谷 尅久 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (60230158)
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研究分担者 |
藤本 憲一 武庫川女子大学, 生活環境学部, 講師 (00248121)
角野 幸博 武庫川女子大学, 生活環境学部, 助教授 (90248120)
平松 幸三 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (70026293)
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キーワード | 家庭機能の外部化 / ホテル / 都市化 / 文化伝達装置 |
研究概要 |
家庭機能の外部化は、都市化と密接に関係する。都市への人口集中が、必然的に住宅価格を引き上げ、一家の居住面積を縮小した。結果的に家庭が果たしていたある部分が、外部化されていく。家庭機能の外部化が進行するということは、都市が拡大された家庭の役割を果たすことを意味する。家庭機能の外部化の進行は、経済発展と深く関わっている。戦後の急速な工業化社会の中で、第一次産業従事者が減り、代わりに第二次・第三次従事者が増加していった。まず食事機能の外部化を歴史的にみると、古代から中世にかけては、花会の宴.歳賀の宴が盛んになっている。花会は梅・桃・桜・ハス・萩・菊の宴が主流であるが、遠出して野趣を味いながら一日を過ごすことも多くなった。その後、日本の宴会はいっぽうで確実に外部化が進み、多様化を示すとともに、また内在化も確実に定着しはじめている。現代の外食産業については、ファストフードに代表されるが、その多様化も急速に進行中である。 また宿泊機能の点ではなく、わが国におけるホテルの歴史では幕末の開港とともに始まった。神戸、横浜、長崎などの開港場には外国人の居留地が整備され、商用で訪れた外国人のための宿泊施設が、外国人の手によってつくられた。わが国のホテルは、外国人の旅行客をもてなす施設として誕生したため、一般には「洋風の宿泊施設」として理解されている。しかしその懸念規程ははなはだ曖昧であり、このことは、ホテルの多様化をもたらしたと同時に、ホテルという用語の混乱を招く結果ともなった。 さらに、ホスピアリティ機能の外部化について病院は、戦後、高度経済成長にともなう都市化の進行につれて、家庭で行えない療養の場として、急速に需要を延ばした。現代の日本人は、大多数が病院で生を受け、半数以上が病院で生を終える。病院は、日本人にとって実に身近な存在になっている。入院が驚くべき出来事ではなくなるにつれ、病院は家庭の延長としてとらえられるようにもなった。 以上、本年度は食事・宿泊・ホスピタリティ(療養)の三つの家庭機能について、その外部化を考察した。
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