(1)観察研究の継続と発展 観察研究を継続し、記録を蓄積し、手法をさらに発展された. (2)手法の評価とコードワードの詳細な検討 手法の評価、とくに、筆者の手法で重要なツールとなっているコードワードの検討のために、筆者の用いてきたコードワードをさまざまな角度から、とくに量的な手法も用いて詳細に分析した. (3)T市での参与観察研究の継続 第2年次から継続しているT市の中学校での参与観察を11月まで継続し、教師が新たなテクノロジー利用に取り組む際の実践研究の展開のプロセスを体験するとともに、教師の創造的なテクノロジー利用の実践に制約を与えるものなどについても、知見を得た. (4)学会発表ならびに論文発表 研究全体からいくつかの側面について、中部教育学会、日本教育方法学会、日本教育工学会で発表した.また、コードワードの詳細な検討について、名古屋大学教育学部紀要教育学科、第42巻1号にまとめて発表した. (5)その他 コンピュータとVOD(Video On Demand)を導入したO市の中学校で、参与観察研究を開始した.教育における質的研究に関する情報交換や研究討論の場として、メーリングリスト"quality"(@educa.nagoya-u.ac.jp)を開設し運用開始した.OISEのHargreaves教授と面会し、質的な学校研究について討論を行った.この討論は非常に刺激的かつ有意義なもので、とくに、質的研究における客観性の問題について重要な意見交換がなされ、学会発表等に生かされた.
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