本研究課題の遂行により、次のような成果を得た。 ◎専門教育に関する教材・資料を、聴覚障害の学生に分かりやすく提示する方法の一つとして、コンピュータ上で必要に応じて即座に取り出せ、展開・提示ができるようなデジタル映像を含む画像データベースの形とし、その取り込みや、活用が容易にできるコンピュータを中心とするシステムを組むことができた。 ◎また、さらに鮮明な資料画像の提示や、データとして保存する上でデータ容量節約の必要のあるものは、コンピュータの外部にそのデータを置き、コンピュータで制御しながらビジュアル・インタラクティブに扱える形態とした教育システムとした。その結果、教材の開発および作成が効果的かつ容易に行なえるようになった。 ◎ここでは担当している専門科目を中心とし、ビデオ映像やデジタルカードカメラで撮影した画像、作画した資料等を画像データとした。さらに分かりやすく指導するために、アニメーションの技法を取り入れるなど、可視化されたビジュアル・インタラクティブなデータ資料の展開・提示方法を可能とした。 ◎この際、それらを文字データとあわせ、指導ポイントがつかみ易く、聴覚障害者が効果的に利用のできる教材・資料データの形として構築した。機械工作法、機械設計製図およびCAD/CAM実習等の指導のための教材・資料として作成でき、教育指導に効果的に利用できることが、実践により確かめられた。 ◎これらは講義の内容に即し、必要な教材、資料データとしてHyperCardをプラットフォームとしてマルチメディアを効果的に用い有機的にリンクしながら教育指導において有効に展開・提示ができ、さらに、今後への発展と活用が期待できる。 以上、教育実践を行ない、学生の反応を生かしながら、聴覚障害者に適したビジュアル・インタラクティブな専門教育システムとそれによる教材の開発・研究を行なうことができた。
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