研究課題/領域番号 |
05808038
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
大森 保 琉球大学, 理学部, 助教授 (00045022)
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研究分担者 |
平良 初男 琉球大学, 理学部, 教授 (70044998)
棚原 朗 琉球大学, 理学部, 助手 (00217100)
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キーワード | 群発地震 / 熱水活動 / 海底温泉 / メタン / ラドン / ヘリウム同位体 / 沖縄 / 岩石-水 相互作用 |
研究概要 |
本研究では、1991年および1992年に活発化した西表島群発地震活動域に存在する熱水活動として、(1)竹富海底温泉と、(2)西表島高那温泉がある。“群発地震活動の経過と共にこれらの熱水活動がどのように変動するのか?"について監視し、群発地震活動の原因およびその推移に関する研究をおこなった。その結果以下のことが明らかになった。 (1)竹富海底温泉の地球化学 【.encircled1.】海底温泉付随ガスの組成は、メタンを主成分とするものであり、水素および硫化水素が含有され火山性のガス組成に類似するものである。とくに、炭化水素組成比およびヘリウム同位体比ははその特徴を示している。 【.encircled2.】海底温泉の水質は、海水が高温で岩石と反応したことを示唆している。地下深所で形成される熱水の組成が経年的に変化することを示唆する。 【.encircled3.】海底温泉の水温変動は特異的であり、地震活動の推移にともなう監視を必要とする。 (2)西表島高那温泉の地球化学 【.encircled1.】高那温泉の水質はCaSO4型であり、第三紀海底火山で形成されたグリーンタフ層に関連するものである。 【.encircled2.】西表島群発地震の活動に伴う高那温泉の水質変動から、マグネシウム、ナトリウムおよび塩化物および硫酸塩の特異的な変動が観測された。地震活動に先だって、これら成分が供給されるメカニズムがありそうである。 (3)総括として、西表島群発地震活動にともなって、海底温泉など熱的な活動も変動しており、今後も監視を継続する必要性を感ずるものである。
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