研究課題/領域番号 |
05808058
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
前田 紀子 琉球大学, 医学部, 教務職員 (40231584)
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研究分担者 |
徳 誠吉 琉球大学, 医学部, 助手 (10143091)
田中 龍夫 琉球大学, 医学部, 教授 (70018688)
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キーワード | リボソーム蛋白L7a / サーフ遺伝子クラスター / 発現調節 / cDNA / ハウスキーピング遺伝子 |
研究概要 |
マウスのリボソーム蛋白L7a遺伝子は他のいくつかの機能不明な遺伝子とクラスター構造をとっているが、このような集合構造をとることの意味についてはまったく解っていない。我々はこれまでに鶏胚の遺伝子ライブラリーからL7a cDNAをプローブに約18Kbpのクローンを得、L7a遺伝子の前後、計約13Kbpの塩基配列を決定した。今回L7a遺伝子の上流及び下流の数百bpをプローブにcDNAクローニングを行い、L7a遺伝子の両側二つの遺伝子を同定した。その中の一つ、CLG1はL7a遺伝子の上流から約550bp離れたところにその5'末端が向き合って位置し、2つのエクソンから構成されていた。cDNAの全長は312bpでコードする蛋白は、分子量約9,000の酸性蛋白質(pI4.9)と予測されたが、データベース検索でも相同する蛋白は見つからなかった。CLG2はcDNAの5'末端が欠けてはいたがL7a遺伝子の3'末端から233bp離れてその3'末端があり、マウスでのクラスター構成遺伝子の1つであるサーフ1と高いホモロジーを示した。8つのエクソンから構成され、イントロンの挿入部位もマウスと一致していた。CLG3のcDNAの単離には未だ成功していないが、マウスのサーフ遺伝子クラスターとの比較により、その遺伝子の配列はサーフ2と相同であった。エクソン1から4までしか解析していないが、エクソンの保存性はかなり高くイントロンの挿入部位もマウスと同じであり、CLG2に向き合って190bp以内の距離にあると思われる。これらの結果から鶏のリボソーム蛋白L7aの前後には少なくとも3つの遺伝子が密接に並んでいた。これらの遺伝子はいずれも5'上流配列にTATA boxをもたず、CpGに富むなどハウスキーピング遺伝子としての特徴をもっていた。それらのコードする蛋白の機能は今のところまったく不明であるが、CLG2とCLG3はマウスのサーフ1とサーフ2に相同で、鳥類から哺乳類へとの長い進化の過程でもその遺伝子構造及び蛋白構造が高度に保存されていたことから細胞の基本的な構成成分と関わっている可能性を示唆している。現在、これらの発現の組織特異性及び成長段階での発現量の違いを調べている。
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