研究課題/領域番号 |
05808076
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
反町 勝 鹿児島大学, 医学部, 教授 (70036440)
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研究分担者 |
山神 和比己 鹿児島大学, 医学部, 助手 (30041354)
赤池 紀主 東北大学, 医学部, 教授 (30040182)
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キーワード | 細胞内Ca^<2+> / 毛様体神経節細胞 / ニコチン様受容体 / ムスカリン様受容体 / 電位依存性Caチャンネル |
研究概要 |
鶏胚毛様体神経節を分離し、コラゲナーゼ、プロテアーゼ処理の後、物理的に単一細胞に分離した神経細胞を用い、ニコチン、ムスカリンによる細胞内Caイオン濃度上昇機序を検討した。細胞内Ca濃度測定は、日本分光社製CAM-200を用いたfura-2顕微測光法によつて行つた。ニコチンによる細胞内Caイオン濃度上昇は、外液Ca、または、Naイオンの除去により完全に消失し、また、Caチヤネル阻害剤であるD-600、ニフエヂピン処理により抑制されたことにより、ニオチン様受容体チヤネルを介してNaイオン流入Caイオン流入による脱分極が、膜電位依存性Caチャネルを活性化することによって生ずるCaイオン流入にもとづくことが判明した。この反応は、ニコチン様受容体アンタゴニストのみならず、アトロピンをはじめとするムスカリン様受容体アンタゴニストによっても有意に抑制された。したがって、筋肉、中枢神経に存在するニコチン様受容体とは、サブユニット構成を異にする受容体の関与の可能性が示唆された。他方、ムスカリンによる細胞内Ca上昇は、細胞外Caに依存する成分としない成分に分けられた。前者は、電気生理学的検索によると、K電流を抑制することにより、即ち、いわゆるM電流抑制による脱分極を介する事が示唆された。事実、細胞内Ca濃度上昇は、Caチャネル阻害剤によって部分的に抑制された。後者によるCa上昇は、細胞内Ca貯蔵部位からの放出によると考えられ、高Kイオン脱分極下においても、ムスカリンにより一過性のCa上昇がみられた。この反応は、カフェイン+リアノヂン処理や、タブシガルギン処理により完全に消失し、10nMDAMPにより抑制されたが、100nMピレンゼピンでは影響されぬことにより、M_3受容体に作用することが示唆された。
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