アジア太平洋圏を中心とした経済的相互依存性を計量的に分析するために、2つのアプローチをとることを決め、その準備的研究を行なった。 1.アジア太平洋圏のマクロ経済とマクロ経済政策の実態を具体的な経済統計指標に基づいて調査・分析を進めた。まず、そのために必要な各国・各地域の主要なマクロ経済指標のデータを収集・整理した。次いで、各国における経済計画や経済政策が各国の経済の発展・成長にどのような効果と影響を及ぼしたか、それらの影響に各国間で相互依存性や因果性があるか等を分析した。 2.アジア太平洋圏を中心としたグローバルな小型計量経済モデルを構築するための準備的研究を進めた。まず、そのための分析枠組に関する代表的なグローバル・モデルとしてのマッキビン=サックスのモデルを検討した。次いで、分析対象を、日本、北米、オセアニア、その他先進国、アジアNIEs、ASEAN、その他アジア途上国、その他途上国の8地域とし、簡単な国(地域)内ブロックと、各地域の貿易および資本移動をリンクする連関ブロックから構成される。必要なデータの収集と加工を行ない、データバンクを作成した。予備的な分析は進めているが、本格的な推定やシミュレーション等の分析は平成6年度に行う予定である。
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