当該年度においては、次の2点の研究を行った。 1.アジア太平洋圏を中心としたグローバルな小型計量モデルを構築し、前年度収集したデータを用いて、モデルの推定やシミュレーションを行い、経済的相互依存関係の計量分析を行った。分析対象としては、日本、北米、オセアニア、その他先進国、アジアNIEs、ASEAN、その他アジア途上国、その他途上国の8地域とし、各国(地域)内ブロックとそれらをリンクするための連関ブロックから成るモデルの分析である。特に、日本や北米のマクロ政策や途上国への援助政策(所得移転)の波及効果を分析し、いくつかの新しい効果を得た。 2.途上国のマクロ開発援助政策について、IMFと世界銀行という二つの国際機関の政策の理論枠組を提示し、そのマクロ・モデルを用いて、それぞれの政策の特徴、効果、および限界を考察した。
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