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1993 年度 実績報告書

炭素質隕石中の高次有機物の検出と小惑星探査への応用

研究課題

研究課題/領域番号 05833002
研究機関筑波大学

研究代表者

下山 晃  筑波大学, 化学系, 教授 (30134084)

キーワード隕石有機物 / 隕石の炭素同位体比 / 太陽系の始原物質 / Yamato-74662隕石 / 高分子様有機物の熱分解 / 小惑星の有機物探査
研究概要

隕石は小惑星の破片であり、そこに含まれる有機化合物を明らかにすることは、21世紀の初頭に打ち上げが予定されている我が国の探査機による小惑星探査計画の準備に基礎となる知識を与え、また、使用した分析技術を応用することが可能である。
このために、本研究では先ず、同位体質量分析計により33箇の南極炭素質隕石中の炭素量と炭素同位体比(^<13>C/^<12>C)の測定を行なった。その結果、同位体比は-16.9〜+0.9〓であり、その平均値は-5.8〓であった。また、炭素量は0.02〜2.49%であり、その平均値は1.31%であった。ここで得られた同位体比は太陽大気での同位体比に近く、明らかに炭素質隕石中の有機物は太陽系の始原化合物であることが判明した。
さらに、隕石中に存在する高分子様有機物をHe気流下で熱分解し、その分解放出成分を有機物用の質量分析計で調べた。アミノ酸が存在することが判明しているYamat-74662隕石での高分子様有機物のH/C原子数比は熱分解前は0.57であり分解後は0.13と減少した。これより加熱分解により高分子様有機物はより多く水素原子を放出し、炭化物へと変化していることが明らかになった。また、質量分析計により130種を越える化合物が検出され、これらは主に芳香族炭化水素であった。
小型で軽量な熱分解装置と質量分析計(例えば、10kg)を探査機に搭載することはロケットの打ち上げ量によっては可能であり、測定操作を自動制御するマイコンを開発することにより、小惑星上での自動測定に使用できることに希望がもてる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Komiya: "Examination of organic compounds from insoluble organic matter isolated from some Antarctic carbonaceous chondrites by heating experiments." Geochim.Cosmochim.Acta. 57. 907-914 (1993)

  • [文献書誌] A.Shimoyama: "Carbon isotopic compositions in Antarctic carbonaceous chondrites." Chem.Lett.1993. 371-374 (1993)

  • [文献書誌] A.Shimoyama: "Formation of carboxylic acids from elemental carbon and water by arc-discharge experiments." Bull.Chem.Soc.Jpn.67. 257-259 (1994)

  • [文献書誌] A.Shimoyama: "Dicarboxylic acids in the Murchison and Yamato-791198 carbonaceous chondrites." Chem.Lett.1994. 523-526 (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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