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1993 年度 実績報告書

遷移金属元素存在度による地球型惑星の初期状態の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05833010
研究機関学習院大学

研究代表者

鈴木 敏弘  学習院大学, 理学部, 助手 (40235974)

研究分担者 赤荻 正樹  学習院大学, 理学部, 教授 (30126560)
キーワードマントル-核分離 / 超高圧 / 元素分配
研究概要

現在までに3〜11万気圧、1400℃の温度における、Ni,Co,Mnの金属鉄とカンラン石、輝石、マグネシオウスタイト間の分配係数の測定、および金属鉄中に水素が固溶することによる分配係数への影響について実験をを行った。これらの実験から得られた結果をまとめると、次のようになる。
1.金属鉄中に水素が固溶することによる分配係数への影響はごく僅かである。
2.圧力の上昇に伴い、Ni,Coの分配係数は減少し、Mnの分配係数は増加する。つまり、どの元素も圧力が上昇すると分配係数が1に近づく傾向が観察された。
3.鉱物中の鉄酸化物の濃度が増加すると、鉱物の種類によらず分配係数が増加する。
上記の遷移金属元素の超高圧下における分配係数の測定結果を総合して、地球型惑星の初期状態について考察すると以下のようになる。ユークライト母天体のように小型の惑星では、内部の圧力が低いため分配係数が元素毎に大きく異なる。このため惑星形成過程の初期に起こったケイ酸塩と金属鉄の分離過程において、遷移金属元素はそれぞれ異なった割合でマントルと核に分配されるため、マントル中での元素存在度は地球型惑星の始源物質である炭素質コンドライトの元素存在度から大きく変化する。一方、地球のように大型の惑星では、内部が超高圧下にあるため分配係数が1に近づき、遷移金属元素存在度は、炭素質コンドライトのそれに近くなる。このような傾向は、地球やユークライト母天体において推定されている遷移金属存在度とほぼ一致している。この結果は、元素分配係数に対する圧力の効果が、惑星内部における元素存在度に対して重要な役割を果たしている可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Toshihiro Suzuki Masaki Akaogi Takehiko Yagi: "Pressure effect on Mn,Co and Ni Partitioning between iron hydride and mantle minerals" Proceedings of the Japan Academy. (in press). (1994)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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