1.武田薬品工業中央研究所におけるSAMP1のSPF化は、SAMP1の繁殖力が他の近交系マウスに比べて低いこと、及び親マウスの新生児食殺が多いこと等により当初計画より遅れていたが、他施設におけるSPF化も含めようやく軌道に乗り、平成5年度中にはSPF化SAMP1を福井医科大学医学部附属動物実験施設に導入出来る見通しが付いた。 2.平成5年度に導入した分取用SDS-PAGE電気泳動システム(バイオラッド社170-2926)により、マウス老化アミロイド線維構成蛋白質であるアポA-II(モノマー)を、従来のように電気泳動後ゲルを切り出し溶出する方法に比べ、遥かに短時間に、しかも高収率で分離・精製出来るようになった。 3.平成6年度計画 (1)SPF化SAMP1を、SPFおよびコンベンショナルの2条件で、兄妹交配により繁殖、維持する。 (2)免疫機能の加齢変化および飼育環境による相違を検討するため、両条件下で飼育された2〜12ヶ月齢SAMP1について、種々の免疫学的パラメーターを比較検討する。 (3)促進老化徴候発現の飼育環境による相違を検討するため、両条件下で飼育された2〜12ヶ月齢SAMP1の各月齢における促進老化徴候発現度を、"老化度判定システム"を用いて評価する。 (4)マウス老化アミロイドーシス発症の飼育環境による相違を検討するため、両条件下で飼育された6〜12ヶ月齢SAMP1の各臓器におけるアミロイド線維沈着量を、病理組織学的(コンゴーレッド染色、免疫組織化学)、および生化学的に定量する。
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