研究概要 |
(1)抽出法の検討:骨サンプルの場合には、0.1mEDTAとProtenase処理を同時に行なうのが効果的であることがわかった。その後、Iso-Quick法でDNAを抽出した。Gene-Clean法も検討したが、まだ良好な結果は得られていない。 (2)DNA-Sequencing法の検討:ダイレクトシークエンシングの方法の中で、従来はDynaBeads法によって1本鎖DNAをつくっていたが、耐熱性酵素を用いたサイクルシークエンス法に切り替えた。この方が鋳型DNAの量が少なくてすみ、また2次構造ができる危険性が減少した。 (3)分析対象として、歯の歯根を用いることを検討した。歯根内に血液残存物と思われる付着物が認められた場合には、その箇所を液体窒素中でデンタルドリルで採取した。このような付着物サンプルは、DNA残存状況の調査であるスメアー法でDNA残存塩基数の長さを調べてみると,明瞭なDNAバンドを示した。一方象牙質ではDNA抽出量が非常に小さく、むしろセメント質の方がDNA抽出量が高かった。 (4)PCR法により、12s-rRNAとCytb部位を増幅し、mtDNAの残存状況を確認した後、D-loop部位を増幅し、DNA-Sequencingを行なった。
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