研究課題/領域番号 |
05835010
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
河村 まち子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (70086734)
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研究分担者 |
長崎 巌 東京国立博物館学芸部, 室長 (20155922)
斉藤 昌子 共立女子大学, 家政学部, 助教授 (20104086)
柏木 希介 共立女子大学, 家政学部, 教授 (20086698)
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キーワード | 染織古文化戝 / 染織品の保存 / 年代判定 |
研究概要 |
本年度は古染織品の実態の調査と年代判定試料の調査を中心に研究を行った。実態調査については帷子を中心に行い、奈良県立美術館所蔵の明和七唐寅〓六月二十日と墨書のある白麻地輪貫斜線経維子をはじめ同時代頃と推定される帷子5点の模様の傾向と裂の裁ち方、仕立上げ寸法について調査を行った。また埼玉県川越市にある〓多院所蔵の徳川三代将軍家光のものと推定される葵紋五ツ紋付き小紋染帷子についても同様の調査を行った。更に古染織品の修理の実態について京都国立博物館内の染織品修理所において調査を行った。これ等の調査によって製作年代によって構成技法及び裁断方法に変化のあることが判明した。しかし製作年代が明らかであるといわれているものについても今回の調査で疑問点のあるものがあった。今後はもう少し製作年代の明確な帷子や小袖の調査を行い、年代による特徴を分類する予定である。一方色と模様の面から製作年代を判定するための手掛りとして江戸時代中期に出版された小袖模様の注文帷である小袖雛形本40冊の分類調査を行った。これは現在まだ調査途中であるが、まずその中で江戸時代中期に多く使用された色として茶系と青系が顕著で、模様は植物模様が多いことがわかった。比色計を使用して実物資料の変退色を測定しその色差を数量化することが可能なことが確認されたが、今後実際に古染織品に応用するためにはその取り扱い方に困難がともなうことがわかった。
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