研究課題/領域番号 |
05835010
|
研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
河村 まち子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (70086734)
|
研究分担者 |
長崎 巌 東京国立博物館学芸部, 室長 (20155922)
斉藤 昌子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (20104086)
柏木 希介 共立女子大学, 家政学部, 教授 (20086698)
|
キーワード | 小袖模様雛形本 / 江戸時代の小袖 / 製作年代の判定 |
研究概要 |
本年度はこれまでの研究を更に進めるとともに成果をまとめるということを目的として研究を進めることにした。 まず小袖模様雛形本の分析をするに当り、昨年度より更に細かく叶代区分を行い、雛形本の出版最盛期といわれる江戸時代中期にあたる寛文7年(1667)から天明5年(1785)までの期間を更に細かく約20年ほどづつの5期に分け、各区分について(1)模様の配置を総模様、裾模様など6種類の形式に分類(2)地色を白、赤、茶などの系統別に10種類に分類(3)染色、加工技法を絞り、描き絵、箔、友禅など8種類に分類、これらの結果を図表化し、各区分ごとの特徴が抽出された。また、天然染料が紫外線によって退色することは明らかであるがその退色の程度を調査することによって製作以後の経年制定の手掛がりにすることを目的として、紅花、茜、コチール等の赤色系天然色素を5種類の媒染剤を用いて絹の羽二重、縮緬を染色したものをキセノンランプで照射し、一定時間経過後の何種類かのサンプルを作製し色による判定基準票とした。また染織品は経年劣化が生じるものであるから、劣化速度を調査してこれも製作年代の手掛かりとすることを考えたがまず製作年代の明確で実験に使用することができる材料が入手困難であることと、染料の種類、特に媒染剤の種類によって差が大きいなどこの面で更に研究を重ねる必要を感じている。しかし3年間で当初の目的の一端は達成することができた。
|