研究課題/領域番号 |
05835010
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化財科学
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
河村 まち子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (70086734)
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研究分担者 |
長崎 巌 東京国立博物館, 学芸部, 室長 (20155922)
斉藤 昌子 共立女子大学, 家政学部, 教授 (20104086)
柏木 希介 共立女子大学, 家政学部, 教授 (20086698)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 染織品の製作年度 / 小袖雛形本 / 江戸時代の小袖 / 染織文化財 / 染織品の保存と劣化 |
研究概要 |
染繊品は材料が天然の繊維であり、色や模様を表すために使用される染料は一部の顔料を除き、その殆どは植物染料である。これらは科学的に見ると有機化合物であるので劣化し易く、古文化財の中でも最も保存しにくい材質から成っている。従ってこれを保存することは非常に困難な問題といえる。 そして、天然染料は色素の抽出や染着が難しく、使用する媒染剤の種類によって変退色、劣化速度に差が生じることが今回の実験からわかった。この繊維の変退色と劣化とは密接な関係にあることもわかった。従って変退色の程度を測定することにより劣化度も推定可能で、時代判定の手掛かりとする可能性もある。しかしその他の劣化因子、日光とくに紫外線のよる影響がきわめて大きいことがわかった。更に何の刺激を与えなくとも経年変退色および劣化は起こり中でも絹は繊維の中で最も劣化退色し易いことがわかった。この様に染織品は複雑な要素があり、年代判定の手掛かりとして図式化することは困難である。 また実物遺品の調査の結果からは構成技法のうち、縫い方については製作年代が判明しているものについても、仕立て替えのものも多く明かな差は確定できなかったが、裁ち方についてはかなり時代による特徴を見い出せた。 また文献との照合から江戸時代の小袖類については模様の種類や色彩、また模様の配置及び描き絵や友禅染などの技法から時代の判定する基準となる手掛かりを得られた。 古染織品は、損傷し易いものなので実物遺品による劣化度及び変退色度の測定はかなり困難で十分には出来なかった。何点かの解体修復を通じて保存、劣化対策については研究することができた。
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