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1995 年度 実績報告書

植物遺体の分析による古代の農業生態系および周辺環境の歴史的変遷に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05835023
研究機関静岡大学

研究代表者

平岡 洋一郎 (佐藤 洋一郎)  静岡大学, 農学部, 助教授 (20145113)

研究分担者 佐野 五十三  静岡県埋蔵文化財調査研究所, 調査課長(研究職)
キーワード植物遺体 / DNA / 考古学 / 遺跡 / 文化財科学 / 古環境
研究概要

本年度は,今までの研究成果をとりまとめるとともに,青森県三内丸山遺跡出土のクリの分析を行った.
1.曲金北遺跡(静岡市)出土の水田遺構について.
同遺跡から検出された水田100枚から土壌を採取し,水洗して種子などを種子などをカウントした.水田面からは多量のヒエかアワの種子のほか木片が発見された.この種子の種はあきらかにすることができなかった.検出された種子の量あや種類などの不斉一さからみると,水田間にはその微環境に大きな差異のあることがうかがわれた.おそらく100枚の水田のすべてが同じ時期に一様な栽培環境のもとで稲作に使用されていたわけではないのであろう.前年度に行った角江遺跡(浜松市)の分析結果などを併せて考えると、縄文から弥生時代の環境は極めて大きな種および生物多様性を包含していたことがわかる。おそらく栽培の進歩が多様性を減少させたのであろう。
2.青森・三内丸山遺跡出土のクリについて.
同遺跡出土のクリの子実20個からDNAを抽出し,子実間の多様性を調査した.2つのランダムプライマーによって増幅されたDNA断片のうち,サザン法によってクリのDNAと判断された断片像の有無に基づいて,集団の遺伝的多様度を調査した.多様度を表わすH値(平均遺伝子多様度)は20子実の間で0.22程度となり,木本の自然集団の遺伝的多様度と比べて明らかに小さかった.同遺跡ではクリ子実が栽培されていた可能性が高い.
3.本年度はまた,北海道・大川遺跡,愛媛県・文京遺跡などで出土した炭化米からDNAを抽出し,PCR法で増幅させることにより品種の判定を行った.現在までのところ,日本で出土しているすべての種子がジャポニカに属することがわかった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 佐藤洋一郎: "農耕と文明(講座、文明と環境(3))、梅原・安田編" 朝倉書店, (1995)

  • [文献書誌] 佐藤洋一郎: "稲とはどんな植物か" 三一書房, 202 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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