1.サハリン及び極東地域の遺跡地図、編年表などの考古学的研究基礎資料を、サハリン州郷土博物館、ハバロフスク郷土博物館、ロシア科学アカデミー極東支部、極東諸民族歴史・考古・民族学研究所の協力により、かなり入手した。 2.国内考古学研究施設所蔵資料の集成作業では、弘前大学教育学部所蔵のサハリン西海岸地方17遺跡から収集された約800点の考古資料を図録化した「樺太西海岸の考古資料-船木鐡太郎考古資料目録」(B5判、85頁)を作成した。 3.放射性炭素による年代測定は、日本大学文理学部地理学研究室に依頼し、サハリン州モネロン島キタコタン遺跡(アイヌ文化).同州ネベリスク郡イワノフカ遺跡(オホーツク文化)、南千島エトロフ島タンコボエ遺跡(続縄文文化)、サハリン州プガチヨフ4遺跡(新石器文化)、同プガチヨフ9遺跡(新石器文化)出土資料をを測定し、新石器文化、続縄文文化、オホーツク文化、アイヌ文化の画期となる遺跡の年代決定を行った。 4.本年度の課題としては、サハリン州(千島諸島を含む)関係遺跡出土測定資料が順調に得られたのに対し、極東関係遺跡出土測定資料が入手され難かったので、新年度は、極東地方資料の入手及び測定に力をそそぎたい。 5.以上、本年度の調査研究から得られたデータを分析、検討し総括を得なった。
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