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1994 年度 実績報告書

自己組織化とエントロピー排出の物理

研究課題

研究課題/領域番号 05836038
研究機関核融合科学研究所

研究代表者

佐藤 哲也  核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 文部教官教授 (80025395)

研究分担者 堀内 利得  核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 文部教官助教授 (00229220)
渡邊 國彦  核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 文部教官助教授 (40220876)
キーワード自己組織化 / 微視的自己組織化 / スーパーイオン音波ダブルレイヤ / エントロピー排出 / 開放境界粒子シミュレーションモデル / 自己組織化のシナリオ
研究概要

低温のイオンに対し、高温の電子流が相対的に(電子の音速を越えない)流れているときイオン音波が励起される。非線形発展の結果、イオン音波ダブルレイヤと呼ばれる無衝突静電ショックポテンシャル構造(電子の熱エネルギー程度のポテンシャル差をもつ弱いショック)が非定常的に形成されることがSato&Okuda(1979)により周期境界条件粒子シミュレーションによって発見されている。本研究では、外界から常にフレッシュな秩序ある流れを供給し、系内で発生した無秩序さ(エントロピー)を境界で外界にろ過(排出)する新しい開放境界粒子シミュレーションモデルの開発に成功した。この新しい粒子シミュレーションモデルを開いて、シミュレーションを行った結果、従来の発生したエントロピーが系内に貯えられる周期境界シミュレーションによって形成される弱いイオン音波ダブルレイヤに対し、エントロピーを系外に排出する条件下では、電子の熱エネルギーポテンシャルをはるかに越える巨大なショックポテンシャル構造が形成されることが新しく発見された。これをスーパーイオン音波ダブルレイヤと名づけた。このス-パダブルレイヤの寿命は、弱いノーマルなダブルレイヤの寿命をはるかに越える長いものであることも明らかになった。しかも、このスーパーダブルレイヤは発生・消滅を繰り返すことも見いだされた。更に、ノーマルダブルレイヤからスーパーダブルレイヤに転移する電子流の臨界速度が存在することも明らかにすることができた。
これらの研究を通じて、プラズマにおける自己組織化が従来考えられていた巨視的な磁気流体プラズマのみならず微視的なカイネティックプラズマにおいても発生するという重要な結論を得るに至った。同時に、本研究の主目的である、自己組織化に及ぼすエントロピー排出機構の重要性が実証されたことは自己組織化の普遍的シナリオを構築する上で特に重要な成果といえる。

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] 佐藤哲也: "「交流」プラズマからみた複雑性の科学" 日本物理学会誌. 5月号掲載(印刷中). (1995)

  • [文献書誌] H.Takamaru: "Electron Acceleration by Ion Acousitc Double Layer" US Japan Workshop on Physics of High Energy Particles in Toroidal Systems(AIP Conference Proceeding). 311. 32-43 (1993)

  • [文献書誌] R.Horiuchi: "Particle Simulation Study of Driven Magnetic Reconnection in a Collisionless Plasma" Physics of Plasmas. 1. 3587-3597 (1994)

  • [文献書誌] H.Amo: "Intermittent Energy Bursts and Recurrent Topological Change of a Twisting Magnetic Flux Tube" Physical Review E. (印刷中). (1995)

  • [文献書誌] S.P.Zhu: "Non-Taylor Magnetohydrodynamic Self-Organization" Physical Review E. (印刷中). (1995)

  • [文献書誌] Y.Todo: "Magnetohydrodynamic Vlasov Simulation of the Toroidal Alfven Eigenmode" Physics of Plasmas. (印刷中). (1995)

  • [文献書誌] T.Hayashi: "Formation and self-healing of islands in finite-β Helias equilibria" Physics of Plasmas. 1. 3262-3268 (1994)

  • [文献書誌] K.Watanabe: "Current-profile flattening and hot core shift due to the nonlinear development of resistive kink mode" Nuclear Fusion. 35(印刷中). (1995)

  • [文献書誌] A.Kageyama: "Computer Simulation of Magnetohydordynamic Dynamo II" Physics of Plasmas. (印刷中). (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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