研究課題/領域番号 |
05837001
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
斉藤 亜紀良 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (40137708)
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研究分担者 |
粕谷 善俊 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (70221877)
後藤 勝年 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (30012660)
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キーワード | 脳動脈 / 血管拡張神経 / 一酸化窒素 / 神経ペプチド |
研究概要 |
脳循環制御機構の機能的研究は従来比較的大型の実験動物(イヌ、ネコ、ブタ)で行われてきた。一方ラットなど小動物による研究から、近年分子生物学法などにより生体調節物質の知識がめざましく発展した。脳血管調節機構の物質的基盤に基づいた解明を目的として小動物の摘出した脳動派の収縮を測定し、ここにおける神経および内皮細胞による調節機序を検討した。 ラット並びにモルモットの脳動脈を摘出し比較的太い部分はリング標本にて、細い抵抗血管部分は定流量潅流による潅流圧変化により、血管の収縮を測定する方法を開発した。神経刺激によりラットの血管では太い部位、細い部位ともに収縮反応が認められ、弛緩反応は見られなかった。この収縮反応はグアネシジンで抑制され、アドレナリン作動性神経によることが示された。一方モルモットの血管では神経性収縮反応はみられず、弛緩反応だけが見られた。この神経性弛緩反応はニトロアルギニンで一部抑制されたことから一酸化窒素(NO)がメディエーターであると考えられた。一方末梢臓器の動脈ではこの他に血管作動性神経ペプチド(CGRP)による血管弛緩反応、およびそのほかのメディエーターによる反応が見いだされた。また血管部位によって内皮細胞の収縮に及ぼす影響が異なり、脳血管ではNOが、末梢の血管ではNOとプロスタサイクリンの両者が大きく関わっていることが示された。このことより、従来大型の実験動物で知られていなかった血管調節機構の存在が明らかとなった。
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