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1994 年度 実績報告書

密度が一様な大深度水域における気泡噴流の基本的乱流特性

研究課題

研究課題/領域番号 05855072
研究機関宇都宮大学

研究代表者

池田 裕一  宇都宮大学, 工学部, 助手 (20202898)

キーワード貯水池 / 気泡 / プリューム / 乱流 / 連行
研究概要

本研究では、大深度水域での気泡噴流の挙動を把握するための新しい実験手法を確立することを目的とし、種々の検討を行ってきた。その主たる成果を上げると以下のようである。
まず、水圧変化に伴う気泡の圧縮・膨張の影響が、具体的にどの程度であるのか、平均量を用いた物理モデルを用いて、解析的に調べた。その結果、水深が10m以上になると、水深(水圧)の影響が現れはじめること、水深40mになると、水圧変化を考慮しない解析では、考慮しているものに比べて3割程度気泡噴流の揚水量を過大評価してしまうことが明らかになった。現在でも数理的な取り扱いの容易さから、水圧を考慮しないモデルでの解析を見かけることがあるが、その適用範囲は極めて限られたものであることに注意すべきであろう。
その認識の上で、水圧による気泡の圧縮・膨張を考慮した物理モデルを、気泡噴流だけでなく、現段階で多く実用に供されている深層水揚水筒の流れにも適用した。そして、揚水施設の揚水量ならびに密度成層の時間変化を解析し、その数値実験の結果から経験的に、システムの水理学的効率の簡便評価式を導いた。この経験式は式形が平易であり、効率的な環境制御を考えていく際に、有効な手法を示すものと考えている。
こうして、水圧変化の重要性を確かめた上で、実験手法の検討に取り掛かった。実験水槽には高さ1mのものを使用し、現在で10分の1気圧の減圧に成功している。しかし、この段階では気泡の圧縮・膨張の影響を顕着には観測することはできなかった。とはいえ、これ以上の減圧には現在使用の実験装置が耐えられないこと、完全密閉水槽中での実験となるために、流速計・電気伝導度計などセンサーの移動や、種々の作業を全て自動化する必要が生じてきたことなど、実用化の面で解決すべき問題を具体的に示すことができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 池田裕一: "深層水揚水施設の効率的運用方法" 環境システム研究(土木学会、環境システム委員会). 21. 340-347 (1993)

  • [文献書誌] Asaeda,Takashi: "Bubble Plume Behaviours in Two Layered Environment" Proc.25th Cong.IAHR,Tokyo,Japan22GD02:D. 281-288 (1993)

  • [文献書誌] Ikeda,Hirokazu: "Analysis on the Flow Structure of the Air Bullet Lake Lifter in the Stratified Environment" Proc.25th Cong.IAHR,Tokyo,Japan. D. 286-289 (1993)

  • [文献書誌] 池田裕一: "間欠式曝気循環施設による二成層の混合効率" 土木学会第48回年次学術講演会概要集. II23GE04:1993. 612-613

  • [文献書誌] 池田裕一: "連続曝気式深層水揚水施設による密度成層の混合効率" 水工学論文集(土木学会,水理委員会). 38. 325-330 (1994)

  • [文献書誌] 浅枝隆: "貯水池内温度躍層制御における散気管の効率的運用方法" 水工学論文集(土木学会,水理委員会). 38. 320-324 (1993)

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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