ポルフィンの合成:2-フォルミルテトラフェニルポルフィリンバナジル錯体(VOFTPP)、ジピリルエチオポルフィリン(DPyE)の合成を行った。 重合:目的物を得るための前段階として、酸触媒下でのピロールと1-ドデカナ-ルの反応について検討したところ、生成ポリマーは1-ドデカナ-ル仕込量の増加とともに架橋し、分子量分布が著しく拡大することがわかった。ついで、VOFTPP-ピロールの交互共重合を試みたところ、分子量2000程度のものが得られた。分子量があがらない理由として、VOFTPPの4つのフェニル基の立体障害が関係すると考えられるため、VOFTPP-ピロール-1-ドデカナ-ルの三元共重合を行ったところ分子量が5000まで上がった。さらに分子量を上げるために立体障害の小さいポルフィリンの合成を現在行っている。 吸収スペクトルから共役系ポリマー(ポリピロメテン)が生成していることが推察されたため、さらに、この共役系をいかし、将来的に人口光合成に応用発展させるため、ポルフィリンを有する水溶性高分子の合成を試みた。反応はピロール、O-ベンズアルデヒドスルフォン酸ナトリウム、DPyEを用いたところ、生成物中のポルフィリンに何らかの電子的相互作用が働いていることが確認された。今後、この共役系を利用した光誘起遠距離電子移動、電荷分離等の研究を行う予定である。
|