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1993 年度 実績報告書

3、6-アンヒドロガラクトース含有多糖の新分析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 05856037
研究機関佐賀大学

研究代表者

濱 洋一郎  佐賀大学, 農学部, 助手 (00243999)

キーワード3、6-アンヒドロガラクトース / 粘質多糖 / メルカプトリシス / GLC
研究概要

海藻に含まれる粘質多糖の新分析法を開発した。以下に要約する。
1.乾燥塩酸ガスをエチルメルカプタンに吹き込み、0.5N塩酸-エチルメルカプタンを調製した。スサビノリから抽出したポルフィランを真空乾燥後、上記溶液中で反応(メルカプトリシス)させると、構成糖〔ガラクトース、3、6-アンヒドロガラクトース(3、6-AG)、6-O-メチル-ガラクトース〕ジエチルメルカプタール誘導体として単糖化することが、薄層クロマト上観察された。しかし、反応中に少量の炭化物が生成した。そこで、少量の1.0N塩酸-メタノールを反応液に加えると、多糖の溶解度が向上し炭化物は生成せず、定量的な分解が可能になった。
2.反応物をTMS誘導体とし、GLC(100%メチルシリコンキャピラリカラム)で分析した。各単糖誘導体は、それぞれが1ピークとして出現し、それらは充分に相互分離した。また、メタノール添加に伴うメチルグリコシドのピークは検出されなかった。次に、GLCを用い、反応の至適温度と時間を検討した。ポルフィランは、60度で6時間のメルカプトリシスによって、完全に構成単糖へ分解しており、それらは72時間後も安定であった。
3.得られた分析条件を、他の代表的な粘質多糖(アガロース、カラゲナン)に適用したところ、ポルフィランと同様の結果を得た。すなわち、この方法は3、6-AG含有多糖全般に適用できる方法であった。
今回確立した新分析法により、粘質多糖から、その不安定さゆえに単糖化することのできなかった3、6-AGのみならず、全ての構成糖を定量的に単糖化できた。さらに、得られた単糖ジエチルメルカプタールをTMS化後、GLCで分析することにより、全ての構成糖を再現性よく分離定量することができた。

URL: 

公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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