抗肝腎ミクロゾーム抗体(抗LKM抗体)陽性C型慢性肝炎患者の自己免疫機序を知るために、血清抗体の認識するエピトープを解析を試みた。 1)抗KLM抗体陽性患者3症例の血清は、間接蛍光抗体法でラット肝細胞の細胞質を均一に染色し、ラット近位尿細管を限局して染色した。 2)患者血清は、ラット肝ミクロゾーム分画抗原との間に、二重免疫拡散法により、沈降線を形成し、その沈降線は標準抗LKM-抗体とミクロゾーム分画抗原との間で形成される沈降線と一致した。 3)患者抹消血液リンパ球とミクロゾーム分画抗原との試験管内培養を行うリンパ球幼若化試験を確立した。現在、刺激リンパ球のphenotypeを解析するとともに、IL-1等のサイトカインの産生を検討している。 4)最近、LKM抗原が、チトクロームP450であるという報告があるので、チトクロームP450抗原を使用した酵素抗体法による抗体のスクリーニングシステムを確立しつつある。
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