現在、大分医科大学共同研究施設内の核磁気共鳴装置SIS200を用い、ハロセン感受性豚における炭素核磁気共鳴法の予備実験として、家兎高体温時の筋肉及び大脳における燐核磁気共鳴法測定を行っている。 現在行っている実験は、体重2.5kg前後の家兎を用い、ウレタン+a-クロラロース+パンクロニウム麻酔、人工呼吸下で行う。直腸温を測定し、温水循環型ブランケットで受動的高体温にした際における、中枢神経および筋肉組織の燐核磁気共鳴を測定している。 家兎の受動的高体温時の変化としては、脳組織における細胞内高エネルギー燐酸は直腸温41℃までは有意な変化を認めない。しかし直腸温が42℃で体温を維持すると、人工呼吸換気量をいくら増加させても動脈血の酸性化が進行し、無機燐酸のシグナルから計算された細胞内pHは動脈血pHに少し遅れて低下する。また高エネルギー燐酸(クレアチン燐酸)も42℃では徐々に低下してゆく事が判明した。 筋組織でも現在同様の測定を行っており、上記研究を予備実験として、ハロセン感受性豚の筋肉組織における炭素核磁気共鳴を測定し、細胞内の炭素化合物の動態を検討してゆきたい。
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