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1993 年度 実績報告書

3ニューロン同時記録による味質弁別神経網の時空間パターン形成のダイナミズムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 05857208
研究機関愛知学院大学

研究代表者

横田 たつ子  愛知学院大学, 歯学部, 助手 (70192416)

キーワード味覚 / 単一ニューロン活動 / 相互相関活動 / 大脳皮質 / 味質の弁別
研究概要

口腔内への味物質投与中に3個のニューロンの活動を麻酔したラットの大脳皮質で微小電極を用いて同時記録し、単一ニューロンが近傍のニューロンとネットワークを組んで、ニューロン相互間の活動の時間的差異として味質を符号化している可能性について検討した。先ず、各ニューロンの味反応性を調べるために、10秒間の味刺激期間を0.2ミリ秒のビンに分け、放電頻度が無刺激状態から有意に増加もしくは減少しているかどうかを各ビンについて統計学的に検定した。次いで、2個のニューロン活動の相互相関図を描き、一定の時間的関係を持って両者が活動することを示す有意な峰が形成されるかどうかを調べた。約半数の例で、甘、塩、苦、酸味の一種類以上の味刺激中に峰の形成がみられた。同時記録された3個のニューロン(A,B,Cとする)の内、BがAおよびCと相関を持つ場合について詳細な検討を加えた。特定の味質に対してBがAと相関であっても、Cとの間では相関が無かったり、相関係数が著しく異なったり或いは遅延時間が明らかに違う場合などがみられた。刺激味質を整えると、3者の相関関係も様々に変化した。これらの結果から、単一味ニューロンは近傍のニューロンと同期発火することによって味質を符号化しうることが明らかとなった。更に、味質が変れば、同期発火する相手のニューロンも違ってくる場合が多いので、単一ニューロンは原則として複数のネットワークに組込まれていると考えられる。また、同期発火は明瞭な味反応を示さない場合にもみられることがあったことから、単一ニューロンは味質の符号化にあたって、自己自身の放電頻度の変化による方法と他のニューロンとの時間的関係の強さで符号化する方法、の両者を継時的に使い分けたり、両者を同時に、しかも様々な比率で、使ったりしていると考えられる。

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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