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1993 年度 実績報告書

チタン鋳造へのダイヤモンドの応用

研究課題

研究課題/領域番号 05857225
研究機関愛知学院大学

研究代表者

鶴田 昌三  愛知学院大学, 歯学部・歯科理工学, 講師 (40183488)

キーワード鋳造 / チタン / ダイヤモンド / コーティング
研究概要

蒸留水に懸濁させたダイヤモンド粉末をワックスパターンにコーティングし、リン酸塩系鋳型材(セラベストG)で埋没した。高周波融解ガス加圧鋳造機アルバトロンで純チタン(JIS2種)とチタン合金(6Al-4V-Ti合金)を通法にしたがい鋳造し、以下の結果を得た。
1.粒径1mum以下のダイヤモンド粉末は通常は凝集し種々な大きさの粒子を形成している。大気中でこのダイヤモンド粉末を加熱をした場合は、約500℃で燃焼が開始し800℃30分の係留で重量にして90%近く焼却されるが、アルゴン流内で加熱すると50%以上残留した。パターンと鋳造体のダイヤモンド層の厚さを測定するとそれぞれ9.33±2.53mumと10.56±4.44mumとほとんど差がなく、鋳型内でダイヤモンドの焼却される割合は少ないものと考えられた。
2.鋳造体の表層から深さ方向にビッカース硬さを測定したところ、表層から100mumの硬さは純チタンは295±48であり、市販チタン鋳造用鋳型材を使用した場合とほぼ同等の値である。表面粗さRaはそれぞれ3.21±1.56と4.47±1.38であり、リン酸塩系鋳型材のみの場合の2.41±0.56と3.05±0.58よりもわずかに大きい。鋳造体組織観察によると、コーティングした場合は表面の硬く脆いalpha-ケース層が薄く、このため表層下の硬さが小さくなったものと考えられた。
3.引張り試験の結果において、コーティングした場合チタン合金の引張り強さおよび耐力は向上し、伸びは変わらなかった。純チタンにおいてはコーティングによる効果は認められなかった。
4.鋳込み率の結果において、純チタンとチタン合金ともにコーティングした場合、リン酸塩系鋳型材のみの場合のほぼ1.5倍の鋳込み率を示した。
通常の合金では鋳造後の被膜は酸洗いによって容易に除去できるがチタンでは困難である。ダイヤモンド粉末コーティング法、チタンと鋳型材との接触や成分元素の酸化を抑制し有用と思われる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 鶴田昌三: "金パラジウム銀合金鋳造体の酸洗いについて" 愛知学院大学歯学会誌. 31(4). 785-792 (1993)

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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