• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

亜鉛フィンガーによるDNA配列認識の解析とそれに基づく新規機能分子の設計

研究課題

研究課題/領域番号 05857264
研究機関京都大学

研究代表者

桑原 淳  京都大学, 化学研究所, 助手 (90225318)

キーワード亜鉛フィンガー / 転写因子 / Sp1 / フットプリンティング
研究概要

GCboxがG塩基に富んでいることに着目し、G塩基を特異的に認識するジメチル硫酸(DMS)やブレオマイシン誘導体(PEM)を用いて精密なフットプリンティングを行い、Sp1のDNAとの相互作用を調べた。メチル化保護作用法の結果はDNAの構造変化と塩基認識の2つの点において重要な示唆を与えた。
(i)Sp1結合に伴うDNAの局所的な構造変化:Sp1(167^*)の結合は5'-GGGCG-3'配列の3'側に隣接するG(7)塩基のメチル化を非常に強く促進した。一方、PEM-Fe錯体によるDNA切断でも、5'G(7)A-3'部位において切断が新たに強く誘起された。このことはSp1の結合によってGCboxの3'側にDNA局所構造の変化が起こっていることを突き止め、それが特にhelical twist angleの変化として捉えられると提案した。
(ii)Sp1のDNA塩基認識機構
メチル化保護法・観賞の結果からSp1(167^*)のGCbox認識に約10塩基のうち5'側に偏った2番目から6番目の5'-GGGCG-3'配列が重要であることを突き止めた。同じく3個の亜鉛フィンガーを持つZif268-DNAの結晶構造によって明らかになったアミノ酸残基と認識G塩基との1:1の対応関係をSp1の中のArgとHis残基によって認識されることになる。この知見は3個の亜鉛フィンガーが塩基認識においてほぼ等価な役割を担っているZif268の結果と大きく異なっており、各フィンガーのDNA認識への貢献度には偏りがあることを示唆した点でより多くのモチーフをもつTFIIIA等のタンパク質のDNA結合様式を考察するうえで重要な情報を与えると思われる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] J.Kuwahara: "Binding of Tranascription Factor Sp1 to GC Box DNA Revealed by Footprinting Analysis:Different Contact of Three Zinc Fingers and Sequence Recogntion Mode." Biochemistry. 32. 5994-6001 (1993)

  • [文献書誌] M.Nagaoka: "Alteration of DNA Binding Specificity by Nickel(II)Substitution in Three Zinc(II)Fingers of Transcription Factor Sp1" Biochem.Biophys.Res.Commun.194. 1515-1520 (1993)

  • [文献書誌] 桑原淳: "化学" 化学同人, 5 (1993)

URL: 

公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi