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1993 年度 実績報告書

脳卒中易発症高血圧自然発症ラットの脳卒中時の異常行動とビタミンB_<12>の意義

研究課題

研究課題/領域番号 05857272
研究機関北海道医療大学

研究代表者

富樫 真実子  北海道医療大学, 薬学部, 助手 (60240967)

キーワードSHRSP / 脳血管性痴呆 / メチルコバラミン / アセチルコリン / passive avoidance response / 生物リズム
研究概要

脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)の脳卒中前後の行動は、脳血管性痴呆患者のそれと良く一致する。老年性痴呆患者の脳内ビタミンB_<12>含量とアセチルコチン(ACh)含量はアルツハイマー型にせよ脳血管性痴呆にせよ低値であることが最近報告された。SHRSPの記憶障害ならびに学習機能障害を受動的回避反応(passive avoidance response)により測定しメチルコバラミン(CH_3-B_<12>)慢性投与の効果を検討した。同時に脳内ACh濃度の測定を行った。さらにCH_3-B_<12>投与によるSHRSPの生物リズム障害に対する影響も検討した。実験には雄性のSHRSPおよび正常血圧のウィスター京都らっと(WKY)を使用した。CH_3-B_<12>は固形飼料に混合し、2mg/kg/dayとなるように慢性投与した。受動的回避反応はステップスルー型の装置を用い7日目まで観察した。ACh濃度はHPLC-EDCにより測定した。生物リズムに対する検討には自発運動自動記録装置を用い、得られたデータをパワースペクトル分析した。受動的回避反応において無投与のSHRSPは記憶の保持に障害があることが示されたがCH_3-B_<12>を投与したSHRSPは正常なWKYと同様に記憶の保持機能の障害は認められなかった。脳内ACh濃度は記憶機能を司る大脳皮質、生物時計が存在する視交叉上核を含む視床下部において無投与SHRSPでは低下していたが、CH_3-B_<12>投与によってACh含量が上昇した。SHRSPは明暗の脱同調を含む生物リズム障害を発現したが、CH_3-B_<12>の投与により有意に改善された。SHRSPは記憶障害および生物リズム障害を示したが、これらの症状はいずれもCH_3-B_<12>の投与により有意に改善された。詳細な作用機序はいまだ不明であるがCH_3-B_<12>およびAChが深く関与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 南 勝 他: "脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)の自発行動異常に及ぼすメチルコバラミンの影響" 基礎と臨床. 27. 709-720 (1993)

  • [文献書誌] S.Kimura et al.: "Vitamin B_<12> treatment for rhythm disorders in SHRSP" Japan Heart Journal. (in press). (1994)

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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