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1993 年度 実績報告書

スラロームクロマトグラフィーの分離機構の多角的解析と実用性の向上

研究課題

研究課題/領域番号 05858082
研究機関帝京大学

研究代表者

平林 淳  帝京大学, 薬学部, 助手 (40156691)

キーワード高分子DNA / 液体クロマトグラフィー / 流体力学
研究概要

従来、スラロームクロマトグラフィーには、直径5-10mum程度のゲルろ過用充填剤を用いて行ってきたが、これでは分画できるDNAの範囲がある程度制限されてしまう。スラロームクロマトグラフィーでは充填剤の径が小さいほど、より小さいDNAを分離することができることが予想されていたが、市販のゲルろ過担体にはそのように小粒径のものはない。そのため、一般に逆相用として用いられている担体がスラロームクロマトグラフィーに流用できるかを検討した。カラムとしては、Capcell Pak Cl,Phe(5mum,Shiseido),ODS(5mum,Tosoh),Phe(3mum,Senshu)を用いた。
その結果、Capcell Pak Cl,Pheはそのまま、スラローム分離に用いることができることがわかったが、ODSは以下なる条件でもDNS(とくに高分子)を溶出させることができなかった。これは疎水性相互作用が強すぎるためだと思われる。
一方、Senshu Pak Phe2250(粒子径3mum)をもちいると、通常の条件ではDNAは回収されなかったが、溶出溶媒に5%以上のアセトニトリルを添加することで、良好なクロマトグラムを得ることができた。また、Phe2250を用いることによって今までの分離することができなかった4kbpのDNAの分離に初めて成功した。
さらに、混合モード分離を試みたところ、Capcell Pak Cl,Pheにおいて0.1M程度のNaClを溶出溶媒に加えることで、低分子画分(<10kbp)における顕著な改善を見た。
以上のように、より一般的なHPLCカラムを用いてもスラーム分離できることが示され、スラロームクロマトグラフィーの適用性が広まった。また、混合モードや極小粒径の逆相用充填剤を用いることで本法の実用性を向上させることに一応の成果をあげられた。また、これらのことが端緒となり分離機構の解明に一歩近づくことができたと思われる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 平林 淳、笠井献一: "スラロームクロマトグラフィーによるDNAのサイズ分離の性能改善" 生化学. 65(8). 1061- (1993)

  • [文献書誌] Hirabayashi,J.et al.: "Slalom Chromatography:Size-dependent Separation Method for…" in Molecular Interaction in Bioseparations (Ngo,T.ed.). in press. (1994)

  • [文献書誌] Kasai,K.: "Size-dependent chromatographic separation of Nucleic acids" J.Chromatogr.618. 203-221 (1993)

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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