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1993 年度 実績報告書

小脳登上線維及び平行線維刺激から最初期遺伝子発現に至るシグナル伝達機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 05858115
研究機関理化学研究所

研究代表者

中沢 一俊  理化学研究所, フロンティア研究システム, 研究員 (40260210)

キーワードプルキンエ細胞 / 長期抑圧 / 長期脱感作 / 最初期遺伝子 / c-Fos / Jun-B / AMPA / 8-bromo-cGMP
研究概要

私は、小脳LTDから長期可塑的変化に至る分子機構を解析する目的で、登上線維刺激の代わりに8-bromo-cGMP(cGMP)を、平行線維刺激の代わりにAMPAを潅流して小脳スライスに長期脱感作を成立させ、最初期遺伝子(Immediate early gane;IEG)の発現をin situ hybridization,免疫組織化学的手法で調べた。 その結果、長期脱感作を起こしたスライスでは、30分後に40.2%のプルキンエ細胞にJun-Bが、29.9%のプルキンエ細胞にc-Fosが、発現誘導されることを見いだした。 c-Fos,Jun-B各々の発現誘導に対してcGMP及びAMPAはsynergisticに働き、同じプルキンエ細胞におけるc-Fos,Jun-Bの共発現は、脱感作を起こしたスライス上で約40%のプルキンエ細胞で観察された。 また、c-Fosの発現はCNQXで阻害されたのでnon-NMDA受容体を介してシグナルが入ること、c-Fos,Jun-Bの発現ともBAPTA-AMの存在下又は低カルシウムリンゲル液中で阻害されたので細胞内カルシウムがc-Fos,Jun-Bの発現に関与していることが示唆された。 non-NMDA受容体、カルシウム以外のc-Fos,Jun-Bの発現に関与する細胞内因子については、現在引き続き検討中である。他のIEGのうち、NGFI-Aは非処理スライスでもプルキンエ細胞に発現しており、またFos-B,Fra-1,Fra-2,c-Jun,Jun-D,NGFI-B,PC4の発現の程度は僅か(0-18%)で、いずれの場合も各パラダイム毎の変化は観察されなかった。
本実験結果はLTD成立に必須であるプルキンエ細胞内カルシウム上昇が、核内にc-Fos/Jun-BからなるAP-1複合体を形成する際にも必要であることを示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Nakazawa,K.,Karachot,L.Nakabeppu,Y.,Yamamori,T.: "The conjunctive stimuli that cause long-term desensitization also predciniantly induse c-Fos and Jun-B in cerebellar purkinje cells" NeuroReport. 4. 1275-1278 (1993)

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公開日: 1995-05-17   更新日: 2016-04-21  

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