研究概要 |
本研究は,日本と中国におけるアスファルト舗装の構造設計,配合設計,およびその他設計法構築に関する既往の検討を広範に調査したうえで,両者を比較検討し,諸外国における最新成果も考慮して,理論的手法と実験的手法の両者を取り入れたハイブリッド道路舗装設計法の開発について検討を行っている。アスファルトコンクリートは材料特性を完全にモデル化することが不可能であることから,理論的手法と実験的手法の中間的手法を採る必要があり,それぞれの国で長所として挙げられている点を取り入れて,すなわち同時に問題点として改善が必要とされている事項を補うことになって,より合理的で経済的なアスファルト舖装設計法の構築に寄与できることになる。 これまでの検討では,本研究の課題を次の2点に分けて研究業務を進めている。 (1)アスファルト舖装の供用性に関する検討 (2)アスファルト混合物の物理特性に関する検討 (1)の検討の実績については次のとおりである。本検討では,AASHTO設計基準,すなわちわだち掘れ,疲労ひび割れおよび低温ひび割れに対する破壊基準に基づいて,重交通の条件におけるアスファルト舗装の内部応力を解析し,舖装構造が破壊をきたす要因について明らかにした。内部に生じる応力状態を把握することにより,重交通の条件に対する適切な舖装構造について検討している。(2)の検討の実績については次のとおりである。本検討では,アスファルト混合物の配合設計について,Superpave設計法とMarshall設計法の比較を行っている。主要な比較事項は以下の2点である。1点は締め固めたアスファルト混合物の力学特性の違いであり,圧縮試験および引張試験,および対流動試験によって評価している。もう1点は締め固め機構の違いに対する両者の締め固め特性の関係について,空隙率,飽和度,骨材間隙率を指標にして評価している。
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