| 研究課題/領域番号 |
05F05207
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| 研究機関 | 東京大学 |
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研究代表者 |
渡部 終五 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授
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| 研究分担者 |
MARCIAL Helen Sualibios 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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| キーワード | シオミズツボワムシ / ビゲロジェニン / ミオシン重鎖 / cDNAクローニング / 環境ホルモン / 動物プランクトン / 内分泌系 / PCR |
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| 研究概要 |
最近の研究から、ある種の動物プランクトンには高等動物と同様の内分泌系が存在することが示唆されている。したがって、環境ホルモンは動物プランクトンの生殖機能に影響を及ぼしている可能性があり、その評価法の確立は急務である。本研究は、シオミズツボワムシをモデルとして、未だ全容が明らかでない動物プランクトンの内分泌系に関する基礎的な知見を得ることを目的とした。
本年度はシオミズツボワムシBrachionus plicatilis石川株を対象に大量培養を行った。本株ワムシは単為生殖で増殖することでクローン化された個体が得られ、遺伝子解析には好都合である。また、仔虫の産出率も高く、ビゲロジェニンが関係する卵成熟の研究にも有用である。陰イオン交換クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーなどの方法でシオミズツボワムシから調製した低イオン強度緩衝液の抽出液を分画し、電気泳動分析に付したところ、204kDaのビテロジェニン候補成分がみられた。そこで本成分をN末端アミノ酸分析に付し、この配列をもとにPCRに用いるprimerを合成した。別途、シオミズツボワムシから調製したfirst strand cDNAを鋳型にPCRを行い得られた増幅DNA断片の塩基配列を分析して相同性検索を行ったところ、本DNA増幅断片はミオシン重鎖の1部領域をコードすることが明らかになった。一方、ミジンコ類Daphnia magnaのビテロジェニンに特異的な抗体を他機関から供与してもらい、先の、抽出液につき電気泳動に付してイムノブロッティング分析を行ったが、抗原抗体反応を示すタンパク質バンドは観察されなかった。したがって、本年度はシオミズツボワムシからビテロジェニンのcDNAをクローニングすることはできなかった。現在、両性生殖を行うシオミズツボワムシの雄および雌を大量培養してmRNAを調製し、subtraction法を適用して実験を継続している。
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